ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)とは何ですか?

ツェナーダイオードはpn接合ダイオードの一種です。ツェナーダイオードは通常のpn接合ダイオードとは逆方向の電圧を印加しブレークダウン領域(降伏領域)で使用します。

pn接合ダイオードの電圧ー電流特性を図-1に示します。このブレークダウン(降伏)はp型半導体とn型半導体の不純物濃度(ドーピング濃度)により以下の2種類の降伏が存在します。いずれの降伏も温度が一定であれば、決まった電圧で降伏現象が発生することから、定電圧ダイオードとも呼ばれます。

  • ツェナー降伏:p型・n型の不純物濃度が両者とも濃い濃度場合、接合面を中心に広がる空乏層は狭まることになりポテンシャル障壁をトンネル効果により電子がすり抜け降伏します。比較的低い電圧で発生します。
  • アバランシェ降伏:どちらかの濃度だけが濃い濃度の場合に発生する。ダイオードに印加された逆方向電圧は接合面を中心に広がる空乏層に印加されpn接合面で電界は最大値を持ちます。この電界がある一定レベルを超えると雪崩(アバランシェ)降伏が発生し、電流が流れることになります。この現象はツェナー降伏より高い電圧で発生します。

実際のツェナーダイオードでは厳密にこの2つの降伏がわかれるわけではなく、6 V程度を境にこれ以下ではツェナー降伏が支配的、これ以上ではアバランシェ降伏が支配的になります。

図-1 pn接合ダイオードの電圧 - 電流特性
図-1 pn接合ダイオードの電圧 - 電流特性
図-2 ダイオードの電圧と電流の定義
図-2 ダイオードの電圧と電流の定義

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