ツェナーダイオードはどのように動作しますか?

ツェナーダイオードはpn接合ダイオードの一種です。pn接合ダイオードに逆バイアスを印加し、この逆電圧を大きくしていくとある電圧(ツェナー電圧・降伏電圧)で電流が急激に増加します。この特性を利用し定電圧を生成するダイオードがツェナーダイオードです。

一般のpn接合ダイオードではこの降伏電圧は数十V以上ですが、ツェナーダイオードはpn接合部の不純物濃度の最適化などにより数Vから数十Vのツェナー電圧の製品を展開しています。

図-1 ツェナーダイオード I-V特性
図-1 ツェナーダイオード I-V特性

ツェナーダイオードのブレークダウン領域では、以下2種類の降伏現象により、電流が増加します。

  • ツェナー降伏現象:5 Vより低いツェナー電圧を持つツェナーダイオードで影響が強い
  • アバランシェ降伏現象:5 Vより高いツェナー電圧を持つツェナーダイオードで影響が強い

ツェナーダイオードはツェナー電圧を超えたブレークダウン領域で使用します。ツェナーダイオードはこの領域で動作させることで、定電圧用途で使用されます。最近ではこの特性を利用してESD(静電気放電)保護などでも良く使用されています。

技術資料記載の許容損失値などの絶対最大定格を超えないように注意して使用する必要があります。

ツェナー降伏・アバランシェ降伏に関しては、以下のFAQにも説明があります。

FAQ: ツェナーダイオードのツェナー電圧温度係数はどのような特性ですか?

関連リンク

製品ラインアップについては、以下のページ、ドキュメントをご参照ください。