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SSD(ソリッドステートドライブ)

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 当社は、ハードディスクドライブ(HDD)の小型化技術およびNAND型フラッシュメモリ(データ保持に電力を必要としない不揮発性記憶素子の一種)技術の両分野にて業界のリーディングカンパニであり、革新的なストレージ技術を搭載した多様な製品を市場に提供しています。東芝製ストレージプロダクツは、ノートパソコン、ナビゲーションシステム、データセンタ、外部ストレージソリューションなど、主要な機器に使用されています。

 SSDはデータストレージデバイスとして、1987年当社によって開発されたNAND型フラッシュメモリを主記憶デバイスとして使っている製品です。SSDは、コンピュータ分野のみでなく、家庭用電化製品からエンタープライズ、産業用機器まで幅広くその他の市場に急速に普及しています。

 今日、広範に使用されているHDDと比較すると、SSDには、可動部品がない分、堅牢で、耐久性と信頼性に優れ、しかも小型、高速、低消費電力というメリットがあります。

 SSD、HDDは、IOPS(1秒間に読み書きできる回数)、容量、シーケンシャルスループット、消費電力、コストパフォーマンスの観点でそれぞれ特長があります。SSDとHDDは市場におけるニーズが異なるため、互いに補完関係にあり、今後も長期にわたって共存することが予想されます。東芝は、HDDとNAND型フラッシュメモリ、SSDを持つ唯一の総合ストレージソリューションプロバイダ*1であり、各ソリューションが最適なアプリケーションに導入されるべく、今後も継続的にストレージソリューションを供給していきます。

*1 2014年11月現在、東芝調べ。

アプリケーション

 当社のNAND型フラッシュメモリ技術の耐久性、信頼性および高性能は、多様なクライアント製品・エンタープライズ製品(モバイル機器、ゲーム機器、家庭用娯楽機器、産業システム、データセンタサーバ)で機動性、機能性および信頼性の向上に貢献しています。MLC、TLC技術はコストパフォーマンスを高め、高容量化を可能とし、応用分野は拡大し続けています。

 当社は2007年以来、最先端技術のSSD(cSSD、eSSD)を市場投入しており、現在、幅広いフォームファクタ、インタフェース、容量を取りそろえています。

クライアントソリッドステートドライブ(cSSD)

 ノートPCでは、薄型のみでなく、軽量、長寿命バッテリ、高処理性能が求められています。フリップフロップ式からデタッチャブル式まで多様なノートパソコンの市場需要を満たすために、高速データ転送、低レテンシ、小型化、低消費電力化が要求されています。

 SSDは、昨今、ノートPC用のストレージデバイスとして注目を集めています。cSSDは高速の読み出し・書き込み速度、省スペース、低消費電力、耐衝撃性、耐振性の観点からクライアント分野に適しています。

エンタープライズソリッドステートドライブ(eSSD)

 飛躍的なデータ量の増大に伴い、そのデータを管理・処理をするための企業サーバ/コンピュータには、アクセシビリティ、可用性、性能および信頼性の基準を24時間365日満たすことが求められます。これらのニーズに応えられるよう、SSDは進歩しています。NAND型フラッシュメモリの品質改善は従来型のエンタープライズHDD(eHDD)を超え、ミッションクリティカルなデータ信頼性を提供できる段階にまで今や到達しています。また、SSDは、HDDと同じコマンドと操作をエミュレートできるようメモリコントローラとインタフェースエレクトロニクスを採用しています。

 当社のeSSDは、エンタープライズクラスの設計で最先端の技術を採用しています。このeSSDは冗長設計がされており、すべての応用機器環境(サーバ、ストレージ(DAS、SAN、NAS))にも適した機能を提供できます。これは、SASインタフェースを持つ、従来のeHDDの構造が基になっ ているからです。静音性、消費電力の軽減(冷却費の削減とそれによるデータセンタ支援オーバヘッドの削減)、妥協のない耐衝撃性と耐振性、HDDよりも高速なアクセス速度とデータ転送速度といったメリットをもつeSSDは、IOPS・信頼性が重要な要素となるTier0応用機器用への選択肢として主要になりつつあります。

 eSSDは、大多数のハイエンド性能主導型アプリケーションにて、従来使用されているHDDに取って代わるものと予測されます。eSSDは、高い信頼性、性能および長寿命が求められるミッションクリティカルな応用機器にまさに当てはまります。

 

cSSD、eSSDの応用機器には以下のようなものがあります。

音響設備

ホームシアタ

放送レコーディング機器

カムコーダ

CNC装置

航空機内エンターテイメント機器

CTスキャナ

デスクトップPC

電子楽器

HDスタジオカメラ

高速度カメラ

ナビゲーションシステム

キオスク端末

レーザプリンタ

医療測定機器

タブレットPC

ノートPC

事務用機器

アーケードゲーム

POSシステム

業務用カムコーダ

セットトップボックス

スタジオレコーディング

監視カメラ

電話交換機局

テレビ

映像編集システム

企業処理サーバ

金融取引サーバ

データ解析サーバ

SSDの仕組み

 SSDは通常、プリント回路基板、NAND型フラッシュメモリチップ、キャッシュDRAM、メモリコントローラ、インタフェースコントローラ、およびSATAやSASなどのインタフェースコネクタで構成されています。

 SSDで使用されるメモリは不揮発性NAND型フラッシュメモリであり、さまざまな特性のものが生産されています。NAND型フラッシュメモリはSLC、MLCまたはTLC技術をベースに設計されています。SLCは1セル当たり1ビットを格納し、耐久性は優れていますが、容量あたりの生産コストは高く、MLCは1セル当たり2ビットを使用し、TLCは1セル当たり3ビットを使用します。これらのフラッシュ技術は、耐久性に劣りますが、容量あたりの生産コストは低くなります。

SSDの構成

cSSD
Client SSD (HG6 Series)

eSSD
Enterprise SSD (HK3R & PX02SMB160)

(1) コネクタ

HDDと同様、SATAインタフェースは通常、SSDでも使用されます。SATAコネクタの機械的な構成は、HDD用ソケットと互換性を持ちます。

(2) コントローラ

コントローラはSSDのコア部品であり、高速な読み出し・書き込み性能、高い書き込み耐久性および高度な信頼性を実現しています。

 (3) NAND型フラッシュメモリ

データはNAND型フラッシュに格納されます。このフラッシュメモリは大容量と高コストパフォーマンスを実現するために当社のMLC/TLC技術を活用しています。

SSDの特長

 SSDには可動部品がないため、モバイル機器市場で幾つかのメリットがあります。SSDは相当な衝撃と振動に耐えることができ、またSSDの高速データ伝送速度と低消費電力は、SSDを使用する機器の性能を改善します。さらに、SSDはまったく機械的ノイズを引き起こすことがないため、ノイズの影響を受けやすい機器にとって理想的なドライブです。

高速読み出し・書き込み性能

 SSDはデータにアクセスする際、HDDのような機械的動作を必要とせず、NAND型フラッシュメモリによるデータアクセスのための読み出し・書き込み動作だけが必要となります。この電気的動作により、SSDの最大のメリットである高速アクセスが可能となります。さらに、SSDでは、読み出し・書き込み性能を向上させるため、複数個のNAND型フラッシュメモリへの並列アクセスを可能としています。19nmNAND型フラッシュメモリ搭載SSDでは、データ転送速度は500 MB/sを上回っており、ランダムアクセスは80,000 IOPSを達成しています。

 NAND型フラッシュメモリの読み出し・書き込み性能についてはSLCがMLCを上回りますが、1セル当たり2ビットを保持できるMLCの場合、1ビット当たりのコストは低くなり、そのため、クライアントPC用に広く使用されています。最近、TLCはコストパフォーマンスのさらなる向上のために導入されて来ています。

* 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。

耐衝撃性と耐振性

 SSDの他の特長として、可動部品がないことが挙げられます。SSDは衝撃を受けても影響を受けず、動作が安定しているため、HDDと比較して相当な衝撃と振動に耐えることができます。つまり、激しい振動に晒されるような場所でも確実に動作するので、耐衝撃性と耐振性を必要とするノートPCその他の小型携帯機器での使用に理想的なドライブです。

低消費電力

 SSDはモータを装備していないので、HDDよりも消費電力が小さくて済むため、コンピュータのバッテリ寿命を延ばすために役立ちます。この点は、ノートPCにとって大きな利点となるだけでなく、ソリッドステート技術の性能的な利点を生かし、HDDに取って代わりSSDを使用する、高性能エンタープライズ分野(大型サーバなど)でも、特に低消費電力は重要です。世界中で政府規制が強まっており、今日、IT企業はますます性能面で妥協することなく消費電力を削減する方法を求めています。SSDはまた、データ処理能力あたりの発熱が大幅に低く、データセンタの冷却仕様を低減できるため、環境にとってやさしいだけでなく、大幅なコスト削減を見込むことができます。

軽量化と小型化

Client SSD
HG6シリーズ

 当社のクライアントSSD(cSSD)は、重量約9グラム(ハーフスリムモジュール、mSATAモジュール)と軽量ドラ イブが特長です。cSSDは需要が大きく軽量化の進むモバイル機器向けに理想的なドライブです。SSDの多くは現在、2.5型のフォームファクタに対応し ており、その形状によりHDDの代替ドライブとして使用することができます。また、SSDは主として半導体素子で構成されているため、HDDよりも設計に 自由度があり、マザーボードに直接差し込むように設計することもできます。

 M.2タイプは、最近、実用化されたフォームファクタの1つで、 Type22110、2280、2260、2242および2230がサポートされています。SSDのおかげで、製品のサイズを縮小できるとともに、より自 由な製品設計が可能となります。

PCI Express M.2規格
図:PCI Express M.2規格(PCI Express M.2仕様)

静音性

 HDDは可動部品を含むため、動作音を引き起こします。SSDのように可動部品がないことのメリットとして、無音であることが挙げられます。SSDは可聴騒音をまったく引き起こさないため、テレビ、ホームシネマシステム、デジタルオーディオシステム、カムコーダなど、騒音の影響を受けやすい機器で使用するのに理想的なドライブです。

長寿命化技術

 読み出し・書き込み、つまりNAND型メモリセルのフローティングゲートへの電子注入を繰り返した結果、酸化膜は劣化し、それにより読み出し・書き込み耐性が限界に達し、SSDの寿命は短縮されます。この制約を克服し、SSDの寿命を伸ばすためにさまざまな技術が適用されており、現在のSSDで使用されている主要な技術として、「ウェアレベリング」(Wear Levelling)、「オーバプロビジョニング」(Over Provisioning)、「ECCリフレッシュ」(ECC & Refresh)の3つが挙げられます。

 ウェアレベリングは、フラッシュコントローラのアルゴリズムにより管理が行われ、頻繁にアクセスされ定義済みアクセスしきい値を満たすデータブロックをモニター、再割り当てを行い、性能の維持を行います。オーバプロビジョニング(この方法によってデバイスに割り当てる論理ブロックの数が決まる)を用いると、ウェアレベリングによる再割り当てにより、市場要求平均寿命を満足できる容量サイズをサポートすることができます。誤り訂正符号(ECC)とリフレッシュを採用した技術についてECCはエラーを訂正するためにユーザデータに追加される冗長符号であり、リフレッシュは、ECCによるエラー訂正の限界を超える前にエラーを阻止するためにデータを再割り当てするしくみのことです。NAND型フラッシュメモリでは、書込/消去サイクル数が増えると、エラー率の増加が発生します。ECC、リフレッシュ技術により、エラー率の悪化を回避できるとともに、SSDの寿命を伸ばすことができます。

キーワード

  • SLC (Single-Level Cell)

    個々のメモリセルにデータを格納できるメモリ素子。

    SLCでは、MLCが使用する2ビットに対して1ビットの「より簡単な」制御論理を使用して高速にアクセスし、書き込みを行います。そのため、SLCには低消費電力というメリットがあります。さらに、SLCチップの書込動作は10万サイクルという、MLCとの比較で約10倍の耐久性があります。この高速伝送速度と高い信頼性により、SLCは高性能SSDに使用されています。

    * 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。

  • MLC (Multi-Level Cell)

    NAND型フラッシュメモリは、メモリセルのフローティングゲートに印加される電荷を複数レベルから選択することにより、1メモリセル当たり1ビットを超える情報を格納することができます。MLCは、1セル当たり2ビットの情報を保持します。この技術では、小型フォームファクタでの高密度化、および1ギガバイト当たりコストパフォーマンスの高いストレージを実現できます。

    * 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。

  • TLC (Triple-Level Cell)

    TLCは1セル当たり3ビットを格納するため、SSDはさらにコストパフォーマンスの高いものになります。TLCはcSSDで使用されて来ており、ノートPCやタブレットPCなどローエンドのクライアント機器の普及に伴い、TLCの需要は高まるものと予測されます。

    * 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。

  • Endurance(耐久性)

    データ保持期間と信頼性が失われるセル劣化が発生し、製品設計寿命に到達する書込/消去サイクルの最大数を耐久性といいます。

  • データ保持期間

    ストレージデバイスの寿命期間に、メモリセルにデータが格納されてから復元可能(破壊していない)状態を持続できる予想期間をデータ保持期間といいます。セルが書換え耐性最大値に近づき、書込/消去回数が全体の平均寿命を表す値に達するにつれ、セルは劣化します。

  • オーバプロビジョニング

    ユーザが利用可能な見かけの容量は、SSD内部に搭載された総メモリ容量から余剰容量を差し引いたものになっており、割り当てられた余剰容量をオーバプロビジョニングといいます。オーバープロビジョニングの比率を大きくすることで書換え耐性(平均寿命)、ランダム書込性能を向上させることが出来ます。eSSDの場合、許容範囲は25~28%程度です。

  • ウェアレベリング

    メモリセルごとに一定の書換え耐性寿命があります。それぞれのセルが同等に損耗していることを確認するため、書込/消去回数がモニタされます。その回数差が規定のしきい値に到達すると、セルデータは新しいセルに再度割り当てられます。

  • 誤り訂正符号(ECC)

    ECCは冗長符号であり、この冗長符号はデータを読み込む際にユーザデータに追加され、読み出す際に冗長符号を合わせて読み出すことでユーザデータに含まれるエラーを訂正します。

  • リフレッシュ

    NAND型フラッシュメモリの書き換え劣化後の長時間データ放置によりエラー率は上昇し、SSDは長期間使用すると磨耗します。リフレッシュは、そのエラーの増加を防ぐとともにSSDの使用寿命を伸ばすためのデータを再割り当てするしくみです。

  • NAND型フラッシュメモリの微細化

    半導体メモリは微細化を進めることで大容量が実現できたり、ウエハー一枚あたりのチップ数収量が増えたりしてコスト競争力が増すので、微細化はNAND型フラッシュメモリ製造技術の競争力を計るファクターの一つです。微細化の指標としては一般には最小回路線幅(Half Pitch)が用いられます。

    当社のcSSDで搭載されてきたNAND型フラッシュメモリのプロセス技術は下記のとおりです。

    56 nm - 2008年

    32 nm - 2010年

    24 nm - 2011年

    19 nm - 2012年

    19nm第二世代プロセス - 2014年

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