半導体テスターに適した高いオン電流と低オフリーク電流を両立した小型パッケージフォトリレー

半導体テスターに適した高いオン電流と低オフリーク電流を両立した小型パッケージフォトリレー

当社は、半導体テスター向けに、小型P-SON4[注1]パッケージを採用し、高いオン電流と低オフリーク電流を両立したフォトリレー「TLP3487」と「TLP3491」の2製品を製品化しました。

半導体テスター (ATE:Automatic Test Equipment) は、システムLSIや半導体メモリーなどの被測定デバイス (DUT:Device Under Test) の各ピンに電圧や電流を与え、正しく動作しているかを検査する装置です。こうしたテスターでは、DUTのピンごとに電源や信号の経路を切り替える必要があるため、ソリッドステートリレーの一種であるフォトリレー (MOSFET出力) が多数使われています。一方で、半導体テスターでは、リレーオフ時のリーク電流が測定誤差の要因となるため、測定精度向上にはリーク電流の低減が重要です。加えて、電源供給や負荷制御用途では大電流への対応も求められており、これらの要求を高いレベルで両立するスイッチデバイスが必要とされています。

新製品TLP3487とTLP3491は、MOSFET出力部のデバイス設計最適化により、既存の当社フォトリレーのP-SON4パッケージシリーズ[注2]では両立が困難であった、高いオン電流と低オフリーク電流を同時に実現しています。従来、大電流が求められる用途では、複数のデバイスを組み合わせて使用するケースがありましたが、その結果、部品点数の増加に伴う実装面積の拡大や、オフリーク電流が大きくなるという問題がありました。TLP3487とTLP3491は高いオン電流と低オフリーク電流に対応しているため、単一のデバイスで構成することが可能で、部品点数の削減と基板スペース削減に貢献します。

また、P-SON4パッケージを採用することで、当社既存製品で採用している2.54SOP4パッケージと比べて約74%、2.54SOP6パッケージと比べて約84%の実装面積削減が可能であり、高密度実装に対応します。

これらの特長により、新製品は低オフリーク電流が求められる高精度計測用途に適しており、メモリーテスターやSoCテスターなど、幅広い半導体テスター用途で使用できます。

当社は今後も、フォトリレーのさらなる低オフリーク化や大電流対応、小型化に取り組み、半導体テスターの高精度化・高密度化といったニーズに対応した製品ラインアップを拡充していきます。

[注1] P-SON4:Power Small Outline Non‑leaded
[注2] 当社既存品であるTLP3481など。

新製品の主な特長

  1. 測定信号へ与える影響を抑えた低オフ電流 (IOFF) 特性
  2. オン電流 (ION) 2A (max) で大電流が流れる箇所にも使用可能
  3. 高密度実装可能な小型P-SON4パッケージ

特長の解説

1. 測定信号へ与える影響を抑えた低オフ電流 (IOFF) 特性

テスター用途では、リレーがOFFの状態でもわずかに電流 (リーク) が流れると、測定値や信号に誤差を与える要因になります。そのため、測定精度を高めるには、オフリーク電流 (IOFF) をできるだけ小さく抑えることが重要です。今回の新製品は、MOSFET出力部のデバイス設計最適化により、小型パッケージでは両立が難しかった「高オン電流」と「低オフリーク電流」を同時に実現し、既存製品[注3]を使用した場合と比較し、リレーオフ時のリーク電流を低く抑えることが可能です。

  • TLP3487:オフ電流 (IOFF) 10nA (VOFF=60V) (max)
  • TLP3491:オフ電流 (IOFF) 1nA (VOFF=40V) (max)

[注3] TLP3481 (VOFF=40VでIOFF=10nA (max) 、VOFF=60VでIOFF=1μA (max))

2. オン電流 (ION) 2A (max) で大電流が流れる箇所にも使用可能

図1. DPS回路ブロック図
図1. DPS回路ブロック図

半導体テスターでは、測定信号の切り替えだけでなく、DUTへ電源を供給する経路 (例えばDPS:Device Power Supply) など、数アンペア級の大電流を扱う場面があります。このため、スイッチデバイスには高い電流容量も求められます。新製品は、どちらもオン電流 (ION) 2A (max) に対応しているため、電源供給や負荷制御など、大電流が流れる箇所にも使用できます。

図2. 部品点数・基板スペース削減の例
図2. 部品点数・基板スペース削減の例

従来、大電流が必要な箇所では複数のデバイスを組み合わせて使うケースがありました。しかしその場合、

  • 部品点数の増加により実装面積が大きくなる
  • 組み合わせ構成によりオフリーク電流が大きくなる可能性がある

といった課題につながることがあります。TLP3487/TLP3491は「高いオン電流」と「低オフリーク電流」を両立しているため、単一デバイスで構成しやすく、部品点数の削減と基板スペース削減に貢献します。 (図2)

[注4] PMU : Parametric Measurement Unitの略、DUTに電圧または電流を与え、その応答として電流または電圧を測定するDC測定用ユニット。

3. 高密度実装可能な小型P-SON4パッケージ

図3. パッケージサイズ比較
図3. パッケージサイズ比較

半導体テスターでは多数のDUTを同時に測定するため、限られたテストボード上に多くのリレーを実装します。高速処理化などの技術革新が進む一方で、低コスト化や高信頼性への対応も求められ、テストボードの高密度化が避けられない状況です。

本製品はP-SON4パッケージを採用し、実装面積は7.2mm2 (typ.) と小型です。既存の2.54SOP4パッケージと比べて約74%、2.54SOP6パッケージと比べて約84%の実装面積削減が可能であり、高密度実装に対応します。

アプリケーション

  • メモリー、SoC、LSI、ディスクリートなどの評価に使われる半導体テスター
  • 半導体テスターの周辺機器 (プローブカード、テスト用インターフェースボード (ロードボード) 、I/Oインターフェースボードなど)

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=25℃)

品番 TLP3487 TLP3491
接点方式 1a
(ノーマリーオープン)
パッケージ 名称 P-SON4
サイズ (mm) Typ. 3.4×2.1×1.3
絶対最大定格 阻止電圧 VOFF (V) 60
オン電流 ION (A) 2
オン電流 (パルス) IONP (A) 6
動作温度 Topr (°C) -40~110
結合特性 トリガーLED電流 IFT
(mA)
ION=1A Max 3
オン抵抗 RON (mΩ) IF=5mA、ION=2A、
t < 1s
Max 130
電気的特性
オフ電流 IOFF (nA)
VOFF=40V Max - 1
VOFF=60V Max 10 1000
VOFF=20V、Ta=50℃ Max - 10
端子間容量 (出力側) 
COFF (pF)
V=0V、f=1MHz Typ. 200
絶縁特性 絶縁耐圧 BV(Vrms) AC、60s Min 500
スイッチング特性 ターンオン時間 tON (ms) IF=5mA、VDD=20V、
RL=200Ω
Max 3
ターンオフ時間 tOFF (ms) Max 0.5
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