半導体製品、HDD製品などの製造過程ではクリーンルームの空調管理、製造装置の稼働、製品試験などにより多くのエネルギーを使用します。また、半導体製造のエッチング工程等では、PFC (パーフルオロ化合物) ガスの使用、空調等の冷却設備ではHFC (ハイドロフルオロカーボン) 等のフロン冷媒が使用されています。これらのガスの中には、CO2の数千倍以上の温暖化につながるものも使用されています。
当社グループでは、 2004年より組織を横断したプロジェクトを立ち上げ、“高効率モノづくり” を中心に、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。設備更新の際、省エネ効果の高い設備、温室効果の低い冷媒装置の検討を行っていますが、現状クリーンルームの稼働には多大なエネルギーを使用しており、各工程に同種の設備が多数存在します。プロセスへの理解と気付きが、大きなエネルギーの削減、ガスの削減につながります。
株式会社ジャパンセミコンダクター大分事業所 (大分県)
株式会社ジャパンセミコンダクター大分事業所は2024年4月にオンサイトPPAモデルを導入しました。この太陽光発電設備は東芝デバイス&ストレージグループの事業所敷地内に設置する太陽電池モジュールとしては最大規模となっており、その発電電力量は約583万kWh/年を見込んでおり、すべて同事業所で消費します。
加賀東芝エレクトロニクス株式会社 (石川県)
加賀東芝エレクトロニクス株式会社の300mmウエハー対応パワー半導体新製造棟屋上に太陽光発電設備を設置し、オンサイトPPAモデルを導入しました。今回導入した太陽光発電設備の発電電力量は約1,078MWh/年を見込んでいます。
※1 PPA: Power Purchase Agreement (電力販売契約) の略。電力需要家が発電事業者から直接再生可能エネルギー使用率100%電力を購入する契約形態。オンサイトPPAモデルは、電力需要家の敷地や屋根などのスペースを利用して発電設備を設置すること。
ジャパンセミコンダクター 大分事業所
大分事業所では、蒸気は一か所の水管ボイラから全域に供給しており、棟間の蒸気移送配管は距離が長く、放熱ロスが発生していました。今回、高効率の小型貫流ボイラを分散設置することで、移送を廃止し、都市ガスの使用量を削減および、エネルギーロスの改善に繋がりました。
CO2削減量: 857t-CO2/年