2025年12月18日
東芝デバイス&ストレージ株式会社
当社は、食品、工業など多様な分野で異物除去や品質選別に使われる画像検査機器向けラインスキャンカメラ[注1]用に、レンズ縮小型[注2]CCD[注3]リニアーイメージセンサー「TCD2400DG」を開発しました。本日より出荷を開始します。
ラインスキャンカメラが搭載された色彩選別機などの画像検査機器は、食品の規格外選別や異物除去、プラスチックリサイクル品の材質判別、工業製品の傷・汚れ検出など幅広い用途で使われています。
新製品は、画像検査機器向けに開発された4096画素・7μmピッチのカラーCCDリニアーイメージセンサーです。ラインレート[注4]は22.7kHzで、当社既存製品で画像検査機器向けの「TCD2564DG」の10.5kHzと比べて高速です。RGB[注5]ごとに独立した4096画素を搭載しており、高精細なカラー画像を取得できます。
画像検査機器では、高速で移動する被写体を精密・正確に判別するため、膨大な画像データの高速処理が不可欠です。新製品「TCD2400DG」は、高速ラインレートにより当社既存製品「TCD2564DG」と比較して約2倍の読み取り速度を達成しました。これにより、画像検査機器の処理速度向上に貢献します。
また、RGB各色が独立した3ライン (4096画素×3ライン) の画素列で構成されており、Bayer画素列で必要な色補間処理[注6]を行わずに高精細なカラー画像を取得できます。これにより、即時判定が要求されるラインスキャンカメラ用途に適しています。
さらに、当社既存製品では外部に実装されていたタイミングジェネレーター回路[注7]とCCDドライバー[注8]を本製品では内蔵しました。これにより、CCD駆動に必要な信号ライン数が削減され、外付けのCCDドライバーも不要になります。その結果、信号間の厳密なタイミング調整が不要となり、配線作業の簡素化およびシステム開発工程の効率化が期待されます。また、高速駆動時に生じるEMI (電磁妨害) についても、外部配線の低減により抑制効果が得られます。
当社は今後も、イメージング&センシング技術のニーズに応えるべく、複合機などのスキャニングや各種検査装置などのセンシングの応用機器に対応した製品を拡充していきます。
[注1] 対象物を1ラインずつスキャンして画像を生成するカメラのこと。通常のエリアカメラが「面」を一度に撮影するのに対し、ラインスキャンカメラは「線」を連続的に撮影し、対象物の移動により全体の画像を構築する。
[注2] 画像を光学レンズで縮小し、CCDやCMOSイメージセンサーに投影する方式。
[注3] Charge Coupled Device (電荷結合素子)
[注4] 1秒間に撮影できるライン数。
[注5] Red (赤)、Green (緑)、Blue (青) の頭文字を取ったもので、画像やディスプレーなどで色を表現する基本的な方式。
[注6] R・G・Bのフィルターが下図のように並び、欠けている色情報は周辺画素から補ってカラー画像を生成する仕組み。

Bayer画素列
[注7] リニアーイメージセンサーを駆動するために必要な信号を生成する回路。
[注8] リニアーイメージセンサーの駆動信号を増幅する回路。
色彩選別機
検査装置
| 品番 | TCD2400DG | |
|---|---|---|
| 電源電圧 (動作範囲) (V) | VAVDD、VDVDD、VCKDVDD: 3.1~3.5 VVDD10: 9.5~10.5 |
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| 画素サイズ (μm) | 7×7 (画素ピッチ: 7μm) | |
| 有効画素数 | 4096画素×3ライン (RGB各1ライン) | |
| データレート | Max | 100MHz (50MHz×2ch) |
| ラインレート | Max | 22.7kHz |
| パッケージ | WDIP32 | |
| その他、付加機能 | タイミングジェネレーター回路、 CCDドライバー内蔵 |
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新製品の詳細については下記ページをご覧ください。
TCD2400DG
当社のリニアーイメージセンサー製品の詳細については下記ページをご覧ください。
リニアーイメージセンサー
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