モバイル機器のサージ保護性能向上のためピークパルス電流定格を高めたTVSダイオード: DF2B5BSL

製品情報 2018-12

これは、モバイル機器のサージ保護性能向上のためピークパルス電流定格を高めたTVSダイオード: DF2B5BSLの製品写真です。

当社は、サージ保護性能を向上するためにピークパルス電流定格を上げた標準容量タイプのTVSダイオード(ESD保護ダイオード)「DF2B5BSL」を製品化しました。

新製品は、IEC61000-4-5に準拠した雷サージに対する保護性能を向上させるため、ピークパルス電流定格を8 A[注1]とし、既存製品[注2]と比べて約45 %上げました。また、静電気耐量定格を±23 kV[注3 ]とし、既存製品[注2]と比べて、約35 %向上しました。これにより、サージに対する保護性能を向上した製品として、セットの信頼性向上に貢献します。

スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器は、小型化·薄型化のため内部回路の集積化が進んでいます。そのため使用されるICもプロセスの微細化が進んでおりますが、これに反してICのESDやサージの耐性は低下する傾向にあります。ESDやサージによるセットの誤動作や破壊を防ぐために、外部端子(電源コネクタ、オーディオジャックなど)やESDに弱いICを保護するためTVSダイオードが多く使用されます。

新製品は、小型のSL2パッケージ (パッケージコード: SOD-962) を採用しています。これにより、基板の実装面積を小さくすることができ、さまざまな用途に使用できます。

[注1] IEC61000-4-5準拠
[注2] 既存製品 DF2B5SL
[注3] IEC61000-4-2準拠 (接触放電)

特⻑

  • 高ピークパルス電流定格[注1]: IPP=8 A
  • 高静電気耐量定格[注3]: VESD= ±23 kV
  • 低クランプ電圧[注4]: VC=9.6 V (typ.) @IPP=8 A

[注4] IEC61000-4-5規格の8/20 μs パルスで測定。

用途

  • スマートフォン
  • タブレット
  • ゲーム機など

製品仕様

(@Ta=25 °C)

品番 パッケージ 絶対最大定格 ピーク
逆動作
電圧
VRWM
max
(V)
逆方向
降伏電圧
VBR
min/max
@IBR=1 mA
(V)
クランプ
電圧
VC[注4]
typ.
@IPP=8 A
(V)
ダイナミック
抵抗
RDYN[注5]
typ.
@IPP1=8 A
~IPP2=16 A
(Ω)
端子間
容量
Ct
typ.
@VR=0 V
(pF)
名称 サイズ
typ.
(mm)
静電気
耐量
VESD[注3]
(kV)
ピーク
パルス
電流
IPP[注1]
(A)
SL2
(SOD-962)
0.62×0.32×0.3 ±23 8 3.3 3.6/6.5 9.6 0.2 10.5

[注5] @TLPパラメータ: Z0=50 Ω、tp=100 ns、tr=300 ps、averaging window: t1=30 ns~t2=60 ns

内部回路構成図

これは、モバイル機器のサージ保護性能向上のためピークパルス電流定格を高めたTVSダイオード: DF2B5BSLの内部回路構成図です。

応用回路例

これは、モバイル機器のサージ保護性能向上のためピークパルス電流定格を高めたTVSダイオード: DF2B5BSLの応用回路例です。

注: この応⽤回路例は参考例であり、量産設計に際しては⼗分な評価を⾏ってください。また、⼯業所有権の使⽤の許諾を⾏うものではありません。

特性図

これは、モバイル機器のサージ保護性能向上のためピークパルス電流定格を高めたTVSダイオード: DF2B5BSLの特性図です。

新製品は、IPPを高くしサージに対する保護性能を向上しました。
また、VCも低減しており、後段の回路への影響を低く抑えることができます。

*本資料に掲載されている情報 (製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など) は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。