2018年12月12日
東芝デバイス&ストレージ株式会社
乾電池2本でモータ制御を実現
当社は、モバイル機器、住宅設備、USB駆動機器など低電圧電源(乾電池等)を電源として駆動するDCブラシ付モータやステッピングモータ向けに、低電圧1.8V駆動が可能なデュアルHブリッジ[注1]ドライバICシリーズとして、大電流4A定格[注2]を実現した新製品「TC78H653FTG」を追加しました。
近年、IoTの普及や無線技術の進歩により、スマートフォンなどによる遠隔操作を行うアプリケーションが増加しており、電池によるモータ制御が注目されています。これに伴い、乾電池(2本)の容量が減った際の電圧である1.8V[注3]といった低電圧でも駆動が可能なドライバICの要求が高まっています。従来、この領域では低電圧動作でも安定して動作するバイポーラトランジスタ素子でHブリッジを構成したICが主流でしたが、消費電流が多く電池の持ちが悪いことや、ICでのロスが大きいことが問題でした。また、モータへの印加電圧が低くなることからモータトルクが不足するといった問題もありました。
新製品は、当社オリジナルの、低電圧駆動に特化したDMOSプロセスを用いることによって、安定した低電圧動作を実現しながら、高速出力スイッチング化による高速PWM制御を実現するとともに、低消費電力化によるバッテリー駆動時間の向上や、低オン抵抗化[注4]によるロスの低減効果からモータトルク向上に貢献します。
1.8Vから7.0Vといった比較的低い電池電源にてモータを駆動する各種アプリケーションに適しています。
1.8Vから7.0Vといった比較的低い電池電源にてモータを駆動する各種アプリケーション。
3.7Vのリチウムイオン電池を使ったモバイル機器(カメラ、電動歯ブラシ、プリンタ)、1.5Vの乾電池2個を使った住宅関連機器(電子錠、スマートメータ、スマート水洗)や玩具、5VのUSB電源を使った駆動機器など。
[注1] DCブラシ付モータやステッピングモータを正転/逆転制御する場合に用いられる駆動回路で、トランジスタと負荷の関係がH型の構成となっている回路。
[注2] ラージモード時の定格。実際に駆動可能なモータ電流値は、周囲温度や電源電圧等の使用条件により制限されます。
[注3] 通常、乾電池は約1.5Vや1.2Vで工場出荷されますが、0.9Vまで長時間使用で電圧が降下することを想定しており、その直列接続した2本分の電圧です。
[注4] 電流を流した際の抵抗成分で、数値が低いほどモータ駆動時の損失が少なく発熱の低減が可能。
新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。
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システムLSIマーケティング第二部
Tel: 044-548-2188
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