システムLSI事業の安定事業化に向けた諸施策について

2019年 5月 13日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

当社は、昨年11月に発表した「東芝Nextプラン」において、利益ある安定成長に向けた中期経営計画を策定しました。しかし、昨年末からの想定を超える市況の悪化を受け、当社システムLSI事業の市況変動に対する適応力強化と安定事業化に向けた諸施策を追加し、加速させることとしました。

これらの施策を通じて、今年度の確実な安定収益事業化と「東芝Nextプラン」の達成、ひいては当社および東芝グループの企業価値と株主価値の向上を目指します。

1. 注力分野へのさらなるシフト

自動車の電動化や環境対応車の普及、省エネ、IoTの進展を背景に、車載・産業市場向けシステムLSI市場は中長期的に安定的な成長が見込まれます。当社は、かねてからこれらの市場向けに事業の軸足を移してきましたが、今後さらに注力領域に集中し、産業社会の発展に貢献していきます。

製品別では、以前から注力している画像認識プロセッサーVisconti™ を主体としたデジタルICに加え、マイコン(CPU)のラインアップ強化、高効率・低消費電力を強みとするモーター制御ICを中心としたアナログICにリソースを集中的に投入していきます。

その一方で、ロジックLSI事業では、顧客価値の高い製品の開発に集中していきます。

2. 技術優位性の強化

当社の技術優位性を生かして製品競争力をさらに強化するとともに、製品ラインアップを拡充するため、技術リソースを戦略的に展開します。

 

(1) デジタルIC:当社が車載分野で強みを持つAI、機能安全、低消費電力、セキュリティなど今後のキーテクノロジーを搭載した製品に絞って開発していきます。

(2) マイコン:製品ラインアップを大幅に強化するとともに、社会問題となるセキュリティ技術の強化も行い、多様化するニーズに応えていきます。

(3) アナログIC:高効率・低消費電力なモーター制御技術と、高精度デジタル変換技術を強化し、電力効率をさらに改善した製品を供給します。

3. システム提案力強化

システムLSIの拡販では、顧客ニーズをいち早くつかみ、システムベースのソリューションを提案することが肝要です。当社は、2017年度以降、車載戦略部などソリューション提案力強化に向けた体制を構築してきましたが、蓄積してきたノウハウを活用して活動をさらに強化していきます。本年4月には、2つのシステムLSI事業部を統合するとともに、ディスクリート半導体とシステムLSIの技術サポート会社を合併しました。また、幅広い製品ラインアップと多様な顧客を持つディスクリート半導体事業部との連携を強めて製品横断的な拡販活動にまい進し、ソリューション提案力を一層高めていきます。
デジタルICにおいては、Visconti™ の車載前方監視カメラシステムへの採用が進んできましたが、車載以外の用途も含めた展開を加速すべく、拡販のための専任組織を新設し、成長事業として育てていきます。

4. より強靭な事業構造の構築

本日公表した通り、売上、事業規模に見合った人員体制の構築によるさらなる事業運営体制の強化を目的として、早期退職優遇制度を実施することとしました。また、株式会社ジャパンセミコンダクターにおけるパワーデバイスの生産を通じた稼働率向上、新製品比率増による製品構成改善など、固定費圧縮と限界利益率改善の施策を展開します。

※Visconti™ は、東芝デバイス&ストレージ株式会社の商標です。

※その他の社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。

*本資料に掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。