2023年8月29日
東芝デバイス&ストレージ株式会社
当社は、産業用機器向けに当社第3世代のシリコンカーバイド (SiC) MOSFETチップを搭載した業界初[注1]の2200V耐圧、ドレイン電流 (DC) 定格250AのDual SiC MOSFETモジュール「MG250YD2YMS3」を開発しました。新製品は、DC1500Vで使用する太陽光発電、エネルギー貯蔵システムなどのアプリケーションに適しています。本日から量産出荷を開始します。
これまで太陽光発電、エネルギー貯蔵システムなどのアプリケーションは、一般的にDC1000V以下で使用されていました。そのため、アプリケーションに使用するパワーデバイスは、1200V耐圧または1700V耐圧製品が主流でした。しかし、今後、DC1500Vのアプリケーションが多用される見込みから、業界初の2200V耐圧製品をリリースしました。
新製品は、ドレイン・ソース間オン電圧 (センス端子) を0.7V (typ.)[注2]と低くし、低導通損失を実現しました。また、ターンオンスイッチング損失を14mJ (typ.)[注3]、ターンオフスイッチング損失を11mJ (typ.)[注3]と低くし、一般的なSi (シリコン) IGBTモジュールと比べて約90%[注4]のスイッチング損失低減を実現しました。これにより、機器の高効率化に貢献します。さらに、低スイッチング損失を実現することで従来の3レベル回路ではなく、モジュール搭載数が減少する2レベル回路を構成することができ、機器の小型化に貢献します。
当社は、今後もさまざまな電流値を展開した製品ラインアップを拡充し、産業用機器の高効率化、小型化のニーズに対応していきます。
[注1] Dual SiC MOSFETモジュールにおいて。2023年8月現在、当社調べ。
[注2] 測定条件: ID=250A、VGS=+20V、Tch=25°C
[注3] 測定条件: VDD=1100V、ID=250A、Tch=150°C
[注4] 2300V定格 Siモジュールと今回開発したオールSiC MOSFETモジュールのスイッチング損失比較。2023年8月現在、当社調べ。
(2300V定格 Siモジュールの性能値は、2023年3月時点で発表されている学会論文に基づき、当社が推計。)
産業用機器
(特に指定のない限り、Tc=25°C)
品番 | MG250YD2YMS3 | |||
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当社パッケージ名称 | 2-153A1A | |||
絶対最大定格 | ドレイン・ソース間電圧 VDSS (V) | 2200 | ||
ゲート・ソース間電圧 VGSS (V) | +25/-10 |
|||
ドレイン電流 (DC) ID (A) | 250 | |||
ドレイン電流 (パルス) IDP (A) | 500 | |||
チャネル温度 Tch (°C) | 150 | |||
絶縁耐圧 Visol (Vrms) | 4000 | |||
電気的特性 | ドレイン・ソース間オン電圧 (センス端子) VDS(on)sense (V) |
ID=250A、VGS=+20V、 Tch=25°C |
Typ. | 0.7 |
ソース・ドレイン間オン電圧 (センス端子) VSD(on)sense (V) |
IS=250A、VGS=+20V、 Tch=25°C |
Typ. | 0.7 | |
ソース・ドレイン間オフ電圧 (センス端子) VSD(off)sense (V) |
IS=250A、VGS=-6V、 Tch=25°C |
Typ. | 1.6 | |
ターンオンスイッチング損失 Eon (mJ) |
VDD=1100V、ID=250A、 Tch=150°C |
Typ. | 14 | |
ターンオフスイッチング損失 Eoff (mJ) |
Typ. | 11 | ||
寄生インダクタンス LsPN (nH) | Typ. | 12 |
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