ニアラインHDDの10TB以下シリーズ製品化について

高速化と省電力化を実現したMG10-Dのサンプル出荷開始について

2024年06月25日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

これは、ニアラインHDDの10TB以下シリーズ製品化についての画像です。

当社は、サーバーやストレージシステム、データセンターなどで使用される10TB以下の3.5型ニアラインHDDとして、「MG10-Dシリーズ」を製品化し、今月よりサンプル提供を開始しました。

近年、クラウドサービスの普及、動画コンテンツの配信拡大、膨大なデータを活用するデータサイエンスの導入などにより、世界で生成・蓄積されるデータ量が加速度的に増加しています。それに伴い、データの保管先となるデータセンターでは、より効率的なシステム構築のために、従来よりも大容量なHDDが求められる一方で、従来品からの切り替え用として小容量のHDDも求められています。

「MG10-Dシリーズ」は、CMR(従来型磁気記録)方式のニアラインHDDとして当社第10世代にあたります。従来からの空気ベースの構造で、ディスク回転数は7200rpmの3.5型フォームファクター、インターフェースはSASとSATAを用意しており、それぞれ2TB[1]、4TB、6TB、8TB、10TBの幅広い記憶容量をラインアップしています。SATAインターフェースについては、1TBも用意しています。

「MG10-Dシリーズ」は、アドバンストフォーマットを採用した512エミュレーション(512e)セクターモデル[2]と従来型システムでの使用に適した512ネイティブ(512n)セクターモデルをラインアップしています。また、同シリーズは、24時間365日連続稼働に対応、ワークロードは550TB/年、MTTF/MTBF[3]は200万時間(AFR 0.44%)と、エンタープライズ用のパフォーマンスを備えています。さらに、HDDの廃棄時や再利用時に、記録されているデータを短時間で無効化する機能を搭載したSanitize Instant Erase(SIE)モデルや、暗号化機能であるSelf-Encrypting Drive(SED)を搭載したモデルも取りそろえており、用途に応じてモデルを選択することができます[4]

10TBのMG10ADA10TEは、ディスクの磁気記録層とヘッドの機能を向上させることで記録密度を高めることでディスク1枚あたり2TBを実現しました。当社前世代品に比べ[5]、データ転送速度は約13%向上の268MiB/s[6]、 バッファーサイズは2倍の512MiB[7]、アクティブアイドル時の消費電力は約21%減の5.74W に削減し、高速化、省電力化で顧客のシステムに寄与します。

当社はHDD業界に参入してから50年以上にわたり、豊富な知識と経験を積み重ねてきました。今後も、大容量ニアラインHDDをはじめとした顧客のTCO[8]削減に寄与する製品群を積極的に展開し、情報化社会の基盤強化に貢献していきます。

MG10-Dシリーズ

記憶容量 インターフェース フォーマット 型番 セキュリティオプション
10 TB SATA-3.3 512e/4Kn[2] MG10ADA10TE SIE/SED[4]
8 TB MG10ADA800E
6 TB MG10ADA600E
4 TB MG10ADA400E
2 TB MG10ADA200E
4 TB 512n MG10ADA400N
2 TB MG10ADA200N
1 TB MG10ADA100N
10 TB SAS-3.0 512e/4Kn [2] MG10SDA10TE
8 TB MG10SDA800E
6 TB MG10SDA600E
4 TB MG10SDA400E
2 TB MG10SDA200E
4 TB 512n MG10SDA400N
2 TB MG10SDA200N

[1] 記憶容量:1TB(1テラバイト)=1兆バイトですが、利用可能なストレージ容量は、動作環境やフォーマットによって異なる場合があります。利用可能な容量は、ファイルサイズ、フォーマット、セッティング、ソフトウェア、オペレーティングシステム、プリインストールされたソフトウェアアプリケーション、メディアコンテンツによって異なります。フォーマット容量とは異なる場合があります。
[2] 初期設定は512eフォーマットですが、4Knフォーマットへ変換できます。
[3] MTTF / MTBF(平均故障時間/平均故障間隔)は、製品寿命を保証または推定するものではありません。これは、実際の動作を正確に反映していない可能性のある多数の製品の平均故障率に関連する統計値です。製品の実際の製品寿命は異なる場合があります。
[4] SATAインターフェース512eモデルの「MG10ADA10TE」と前世代品「MG06ACA10TE」との比較。
[5] セキュリティ機能対応製品は、輸出規制や法規制等により一部の国ではご利用いただけません。
[6] 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。
[7] 1メビバイト(MiB)は1,048,576(2の20乗)バイトとして計算しています。
[8] TCO (Total Cost of Ownership): システムの導入、維持、管理などにかかる総所有コストのこと。

新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。

MG10-D シリーズ

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