製品情報 2018-10
当社は、USB3.0やHDMI®[注1]などの高速信号ラインの静電気放電 (ESD) に対する保護性能を向上したTVSダイオード (ESD保護ダイオード) 「DF2B5M5SL」、「DF2B6M5SL」、「DF2S5M5SL」、「DF2S6M5SL」を製品化しました。
ESDが機器内に侵入すると、搭載しているICや回路部品に大きなサージ電圧がかかり、破壊や誤動作が発生します。その対策として、ESD侵入経路にTVSダイオードを付加することで、サージ電圧を吸収しICや回路部品を保護します。印加されたサージ電圧は、TVSダイオードの動作により一定の電圧値でクランプされますが、印加直後はTVSダイオードが十分に応答することができない領域があり、クランプ電圧より高いファーストピーク電圧がICや回路部品にかかります。ファーストピーク電圧が高いとICや回路部品の誤動作や破壊に至るケースがあります。
新製品は、チッププロセスや内部構造の最適化を図り、低容量レベルで、ファーストピーク電圧を既存製品[注2]と比べて約50 %に低減しました。また、高速信号ラインに使用できるよう低容量としました。よって、新製品を高速信号ラインのESD保護に使用すると、保護性能が向上します。さらに、パッケージは、小型のSOD-962 (当社パッケージ名称: SL2) を採用しており、基板の実装面積を小さくすることができ、さまざまな用途に使用できます。
[注1] HDMI: HDMI、HDMIロゴ、High-Definition Multimedia Interfaceは、米国およびその他の国々における、HDMIライセンシングの商標または登録商標です。
[注2] 既存製品 DF2BxM4SLシリーズ
[注3] @IEC61000-4-2 (接触放電)
[注4] @TLPパラメータ: Z0=50 Ω、tp=100 ns、tr=300 ps、averaging window t1=30 ns~t2=60 ns
(@Ta=25 °C)
品番 | パッケージ | 極性 | 絶対 最大定格 |
ピーク 逆動作電圧 VRWM max (V) |
ファースト ピーク電圧 Vpeak typ. @V=±8 kV (V) |
ダイナミック 抵抗 RDYN[注4] typ. @IPP1=16 A ~IPP2=30 A (Ω) |
端子間容量 Ct typ. @VR=0 V (pF) |
クランプ 電圧 VC[注5] max @IPP=2.5 A (V) |
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名称 | サイズ typ. (mm) |
静電気耐量 VESD[注3] (kV) |
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SOD-962 (SL2) |
0.62×0.32×0.3 | 双方向 | ±20 | 3.3 | 67 | 0.5 | 0.3 | 15 | |
±20 | 5.0 | 70 | 0.5 | 0.3 | 15 | ||||
単方向 | ±20 | 3.3 | 60 | 0.3 | 0.6 | 15 | |||
±20 | 5.0 | 65 | 0.3 | 0.6 | 15 |
[注5] @IEC61000-4-5規格の8/20 μsパルスで測定
注: この応⽤回路例は参考例であり、量産設計に際しては⼗分な評価を⾏ってください。また、⼯業所有権の使⽤の許諾を⾏うものではありません。
*本資料に掲載されている情報 (製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など) は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。