製品情報 2019-09
当社は、車載ADAS[注1]カメラモジュール、ADAS[注1] ECUなどの映像信号ラインに使用するSerDes IC[注2]の入出力ポートを、ノイズやサージから保護する単方向の低容量TVSダイオード「DF2S5M4FS」(VRWM max=3.6 V) と「DF2S6M4FS」(VRWM max=5.5 V) 2品種を製品化しました。
自動車は、自動運転化に伴い安全機能への要求が高まっています。このため、カメラの高性能化 (高画質・高解像度) による情報量の増加と駆動系への情報伝達のリアルタイム化が加速しており、高速LVDS[注3]通信の採用が増加しています。
新製品 DF2S5M4FS、DF2S6M4FSは、数ギガビット毎秒の高速通信に対応するため低容量化し、最大端子間容量0.55 pFを実現しました。また、高速通信時の信号品質 (Eyeパターン) を維持しました。さらに、当社の最新オリジナルプロセスEAP-IV[注4]を採用することで、標準クランプ電圧7.5 V[注5]、静電気耐量±30 kV[注6]を実現し、デバイスの破壊と誤動作を抑制、システムの信頼性向上に貢献します。
パッケージは、小型表面実装タイプの業界標準SOD-923 (1.0×0.6 mm typ.) に搭載し、セットの小型・薄型化に適しています。また、AEC-Q101に適合し各種車載アプリケーション (IVI[注7]、電子ミラーなど) に幅広く使用できます。
[注1] ADAS (Advanced Driver Assistance System : 先進運転支援システム)
[注2] SerDes IC (Serializer/Deserializer IC : 映像信号をシリアル → パラレル/パラレル → シリアルへ変換するIC)
[注3] LVDS (Low Voltage Differential Signaling、通信速度 : 数ギガビット毎秒)
[注4] EAP-IV : 第4世代ESD Array Process
[注5] DF2S6M4FS
[注6] ISO10605準拠
[注7] IVI (In-Vehicle Infotainment : 次世代車載情報通信システム)
(@Ta=25 °C)
品番 | ||||
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構造 | 単方向 | |||
パッケージ | SOD-923 | |||
絶対最大定格 | 静電気耐量 VESD (kV) | @接触放電[注8] | ±20 | ±20 |
@気中放電[注8] | ±20 | ±20 | ||
@接触放電[注6] | ±30 | ±30 | ||
@気中放電[注6] | ±30 | ±30 | ||
ピークパルス電力 PPK (W) | @tp=8/20 μs | 30 | 30 | |
ピークパルス電流 IPP (A) | 2 | 2 | ||
推奨動作条件 | ピーク逆動作電圧 VRWM max (V) | 3.6 | 5.5 | |
電気的特性 | 逆方向降伏電圧 VBR min (V) | @IR=1 mA | 3.7 | 5.6 |
逆方向降伏電圧 VBR max (V) |
5.5 | 7.9 | ||
逆電流 IR max (μA) | @VRWM max | 0.1 | 0.1 | |
クランプ電圧 VC typ.[注9] (V) | @IPP=1 A | 6.8 | 7.5 | |
ダイナミック抵抗 RDYN typ.[注10] (Ω) |
0.35 | 0.35 | ||
端子間容量 Ct max (pF) | @VR=0 V, f=1 MHz | 0.55 | 0.55 |
[注8] IEC61000-4-2準拠
[注9] IEC61000-4-5準拠
[注10] TLPパラメータ : Z0=50 Ω、tp=100 ns、tr=300 ps、averaging window t1=30 ns~t2=60 ns
ダイナミック抵抗はTLP特性のIPP1=8 A~IPP2=16 A間で最小二乗法を使って抽出しています。
注 : この応⽤回路例は参考例であり、量産設計に際しては⼗分な評価を⾏ってください。また、⼯業所有権の使⽤の許諾を⾏うものではありません。
[注12] 当社実測値 (2019年5月時点)
*本資料に掲載されている情報 (製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など) は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。