製品情報 2024-10
当社は、データセンターや通信基地局などの産業用機器向けスイッチング電源に適した新世代プロセス「U-MOSⅩ-Hシリーズ」の150V耐圧NチャネルパワーMOSFETとして6品種を製品化し、ラインアップを拡充しました。3ピンのリード挿入タイプのパッケージを採用したTO-220の「TK4R9E15Q5、TK7R2E15Q5、TK9R6E15Q5」とTO-220SISの「TK5R0A15Q5、TK7R4A15Q5、TK9R7A15Q5」です。
新製品は、U-MOSⅩ-Hプロセスを採用することで、ドレイン・ソース間オン抵抗を低減しています。特に、TK4R9E15Q5は業界トップクラス[注1]の低いドレイン·ソース間オン抵抗4.9mΩ (max) を実現しました。さらに、ハイスピード・ダイオード (HSD) による逆回復電荷量の低減、および逆回復時間を速くすることで同期整流用途に重要な逆回復特性[注2]を向上させました。これにより、同期整流用途で使用した場合、スイッチング電源の損失を低減し、高効率化に貢献します。
HSDを採用した先頭製品TPH9R00CQ5[注3]では、HSDを採用していない当社既存製品TPH9R00CQH[注3]と比べて逆回復電荷量が約74%低減、逆回復時間が約44%速くなります。このU-MOSⅩ-HプロセスのHSDを、表面実装タイプに加えてリード挿入タイプのパッケージにも展開しました。
新製品は、MOSFETのスイッチング時にドレイン・ソース間に発生するドレイン・ソース間スパイク電圧も低減[注4]しており、スイッチング電源の低EMI化に貢献します。
当社は、今後も電源の高効率化に貢献するパワーMOSFETのラインアップ拡充を推進し、機器の低消費電力化に貢献します。
[注1] 150V耐圧パワーMOSFETで、2024年10月23日現在、当社調べ。
[注2] MOSFETのボディーダイオードが順方向から逆方向バイアスに切り替わるスイッチング動作
[注3] SOP Advance/SOP Advance(N) パッケージ製品
[注4] 逆回復動作を行う回路で使用した場合
(特に指定のない限り、Ta=25°C)
品番 | 絶対最大定格 | 電気的特性 | パッケージ | ||||||||
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ドレイン ・ソース 間電圧 VDSS (V) |
ドレイン 電流 (DC) ID (A) |
チャネル 温度 Tch (°C) |
ドレイン・ソース間 オン抵抗 RDS(ON) (mΩ) |
ゲート 入力 電荷量 Qg (nC) |
入力容量 Ciss (pF) |
ゲート 抵抗 rg (Ω) |
逆回復 時間 trr (ns) |
逆回復 電荷量 Qrr (nC) |
|||
VGS= 10V |
VGS= 8V |
-dIDR/dt= 100A/μs |
|||||||||
Tc= 25°C |
Max | Max | Typ. | Typ. | Typ. | Typ. | Typ. | ||||
TK4R9E15Q5 | 150 | 120 | 175 | 4.9 | 5.9 | 96 | 7820 | 1.9 | 50 | 50 | TO-220 |
TK7R2E15Q5 | 84 | 7.2 | 8.7 | 66 | 4970 | 1.7 | 44 | 42 | |||
TK9R6E15Q5 | 52 | 9.6 | 11.5 | 50 | 3690 | 1.6 | 40 | 32 | |||
TK5R0A15Q5 | 76 | 5 | 6 | 96 | 7820 | 1.9 | 52 | 55 | TO-220SIS | ||
TK7R4A15Q5 | 57 | 7.4 | 8.8 | 66 | 4970 | 1.7 | 44 | 40 | |||
TK9R7A15Q5 | 49 | 9.7 | 11.6 | 50 | 3690 | 1.5 | 40 | 32 |
注 : この応⽤回路例は参考例であり、量産設計に際しては⼗分な評価を⾏ってください。また、⼯業所有権の使⽤の許諾を⾏うものではありません。
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