2023年3月30日
東芝デバイス&ストレージ株式会社
当社は、データセンターや通信基地局などの産業用機器で使用するスイッチング電源向けに、最新世代プロセス[注2]「U-MOSⅩ-H(ユー・モス・テン・エイチ)」を採用した、150V耐圧NチャネルパワーMOSFET「TPH9R00CQ5」を発売しました。本日から出荷を開始します。
新製品TPH9R00CQ5は、ドレイン・ソース間オン抵抗を業界トップクラス[注1]の9.0mΩ(最大)に抑え、当社既存製品「TPH1500CNH1[注3]」と比べて、約42%低減しました。また、同期整流用途で重要な逆回復[注4]特性である逆回復電荷量を当社既存製品「TPH9R00CQH[注5]」と比べて約74%低減、逆回復時間を約44%速くしました。これにより、同期整流用途で使用した場合[注6]に、スイッチング電源の損失を低減し、高効率化に貢献します。さらに、スイッチング時にドレイン・ソース間に発生するスパイク電圧もTPH9R00CQH[注5]と比べて低減させており、スイッチング電源の低EMI化に貢献します。
パッケージは、表面実装タイプで汎用性の高いSOP Advance(N)を採用しました。
回路設計をサポートするツールとして、短時間で回路動作が検証できるSPICEモデル(G0モデル)に加えて、パワーデバイスの過渡特性をより正確にシミュレーションできる高精度SPICEモデル(G2モデル)も提供します。
なお、新製品を活用した「通信機器用非絶縁昇降圧1 kW DC-DCコンバーター」ならびに「MOSFET応用3相マルチレベルインバーター」のリファレンスデザインを開発し、本日ウェブサイトに公開しました。また、すでに公開中の「1 kWフルブリッジ方式DC-DCコンバーター」のリファレンスデザインに新製品を活用することも可能です。
当社は今後も、電源機器の高効率化に貢献するパワーMOSFETのラインアップ拡充を推進します。
[注1] 2023年3月現在、150V耐圧の製品において。当社調べ。
[注2] 2023年3月現在。
[注3] 従来世代プロセスU-MOSVIII-Hの150V耐圧製品
[注4] MOSFET ボディダイオードが順方向から逆方向バイアスに切り替わるスイッチング動作のこと
[注5] TPH9R00CQ5の同世代プロセス、同耐圧、同オン抵抗製品
[注6] 逆回復動作を行わない回路で使用した場合、TPH9R00CQHと同等の損失となります。
(特に指定のない限り、Ta=25°C)
品番 | TPH9R00CQ5 | ||
---|---|---|---|
絶対最大定格 | ドレイン・ソース間電圧 VDSS (V) | 150 | |
ドレイン電流 (DC) ID (A) | Tc=25°C | 64 | |
チャネル温度 Tch (°C) | 175 | ||
電気的特性 | ドレイン・ソース間オン抵抗 RDS(ON) max (mΩ) |
VGS=10V | 9.0 |
VGS=8V | 11.0 | ||
ゲート入力電荷量 Qg typ. (nC) | 44 | ||
ゲートスイッチ電荷量 QSW typ. (nC) | 11.7 | ||
出力電荷量 Qoss typ. (nC) | 87 | ||
入力容量 Ciss typ. (pF) | 3500 | ||
逆回復時間 trr typ. (ns) | -dIDR/dt=100A/μs | 40 | |
逆回復電荷量 Qrr typ. (nC) | 34 | ||
パッケージ | 名称 | SOP Advance(N) | |
サイズ typ. (mm) | 4.9×6.1×1.0 | ||
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