車載向け定電流2相ステッピングモータードライバーICの発売について

2020年7月16日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

当社は、高機能MCU・ソフトウェア不要で、シンプルなクロック入力方式のみで正弦波電流を出力できる、車載用途の定電流2相ステッピングモータードライバーIC 「TB9120AFTG」を発売しました。
当社初の車載ステッピングモータードライバーとして、「TB9120FTG」の量産を2019年から開始していますが、このたびノイズ耐性を強化した後継品TB9120AFTGを開発しました。

新製品は、最大電流定格1.5A[注1]を実現する、オン抵抗(上下和)0.8Ω(typ.)のDMOS FETと、マイクロステップ(1/1~1/32ステップまで対応可能)による擬似正弦波を生成する制御回路を、小型QFNパッケージ(6.0mmx6.0mm)に封入しました。動作温度-40~125℃を確保し、さらに車載用電子部品認定規格であるAEC-Q100に適合しています。
車載ヘッドアップディスプレーの投影位置調整、冷媒回路の膨張弁など、ステッピングモーター用途全般の幅広いアプリケーションに適しています。

動画による製品紹介

VQFN28

新製品の特長

車載用途を意識した、汎用性の高い仕様

  • 最大電流定格1.5Aを実現する、低オン抵抗0.8Ω(室温、上下和、typ)のDMOS FETを搭載
  • 各種異常検出機能、フラグ出力機能付き 過熱検出、過電流検出、負荷オープン検出
  • はんだ濡れ性に優れるウェッタブルフランク構造VQFNパッケージ 6mm×6mm
  • 動作温度-40℃~125℃
  • AEC-Q100適合

マイクロステップ

  • フルステップから、静音化、低振動化に有効な1/32ステップまで対応可能
  • 高機能マイコンもソフトウェアも不要で、クロック入力信号で制御可能
  • ミックスディケイモードにより電流波形が安定するPWM定電流制御

ストール検出機能

  • 回転異常時にストールと判断し、フラグ信号を出力するSD端子からストール検出信号を出力
  • ストール検出信号をマイコンで受信し、システム制御にフィードバック可能

主なアプリケーション

  • ヘッドアップディスプレーの投影位置調整
  • カーエアコン、またはバッテリーマネジメントシステムの冷媒回路の膨張弁

製品の主な仕様

品番

TB9120AFTG

駆動方式

PWM定電流制御

励磁モード

マイクロステップ駆動、1/1~1/32ステップまで対応可能

駆動モーター数

2相ステッピングモーター1個を駆動

オン抵抗

上下和=0.8Ω(typ.)@25℃

出力電流

1.5A(絶対最大定格)

異常検出機能

ストール検出、過熱検出、過電流検出、負荷オープン検出

動作電圧範囲

7V~18V(絶対最大定格:40V)

外部電源

単一電源

動作温度

-40~125℃

パッケージ

P-VQFN28-0606-0.65

6.0mmx6.0mm

はんだ濡れ性に優れるウェッタブル端子

信頼性試験

AEC-Q100に適合

量産開始

2020年4月

[注1] 実際に駆動可能なモーター電流値は、周囲温度や電源電圧等の使用条件により制限されます。

製品の詳しい仕様については下記ページをご覧ください。

TB9120AFTG

当社の車載ステッピングモータードライバーICについては下記ページをご覧ください。

車載ステッピングモータードライバー

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