2023年3月16日
東芝デバイス&ストレージ株式会社
当社は、車載ボディー系アプリケーション向けに、車載通信プロトコル規格CXPI[注1]に準拠した物理層インターフェース対応のCXPI通信ドライバー/レシーバーIC「TB9032FNG」のテストサンプル提供を今月から開始します。
近年の急速な自動車の電動化、車載システムの電装部品増加、複雑化にともない、ワイヤーハーネスの増加による車両重量増が課題になっています。この課題解決には、HMI[注2]のスイッチ、センサーなどから1対1で接続する従来のシステムから、多重伝送の車載通信技術によりワイヤーハーネスを削減するシステムへの変革が必要です。HMIにおいて既存のCAN[注3]はコスト面で、LIN[注4]は応答性で課題がありました。
CXPIは、CANよりも低コストながらLINでは実現できなかった応答性に優れた車載サブネットワークに適した日本発の車載通信プロトコルの国際標準規格です。新製品は、応用例として、モータードライバーとCXPI通信を組み合わせて、ドアロック、ドアミラー制御を行うなど、車載ボディー系アプリケーションのネットワークのインターフェースや、ゾーンECU[注5]のインターフェースとして好適です。
新製品は、外部端子によりコマンダーノードとレスポンダーノードの用途に切り替え可能で、いずれのノード用途としても使用できます。また、消費電流(スリープ)(IBAT_SLP)を標準5μA[注6]に抑え、待機時の低消費電流を実現しました。さらに、過熱検出、低電圧検出などの異常検出機能を搭載しています。
パッケージは、標準的なパッケージサイズのP-SOP8-0405-1.27-002(6.0×4.9mm)を採用しています。
動作温度範囲を-40~125℃に拡張し、車載電子部品認定規格であるAEC-Q100(Grade1)に適合予定です。
当社は、本製品で培ったCXPI物理層の技術資産を活用することで、今後はCXPI物理層、CXPIコントローラー、プロトコル制御用ハードウエアを一体化したインターフェースICを順次開発していく予定です。
[注1] CXPI(Clock Extension Peripheral Interface):LINを進化させた車載サブネットワーク用の日本で企画、開発された通信規格
[注2] HMI(Human Machine Interface):人と機械が相互にやり取りできる仕組み
[注3] CAN(Controller Area Network):主に自動車用の通信ネットワークとして用いられるシリアル通信規格
[注4] LIN(Local Interconnect Network):CANと比較して、低コスト、低速の車載サブネットワーク用の通信規格
[注5] ECU(Electronic Control Unit):主に自動車に搭載される電子制御ユニット
[注6] 測定条件:VVIO=4.5~5.5V、VBAT=7~18V、Ta=-40~125°C、NSLP=L、TXD=H、BUS=VBAT
車載機器
(特に規定しない限り、Ta=-40~125°C)
品番 | TB9032FNG | ||
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規格 | ISO 20794-4 (車載通信プロトコル規格CXPI物理層) |
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機能 | 物理層インターフェース | ||
ノード選択 | 可能 |
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絶対最大定格 |
電源電圧1 VBAT (V) | Ta=25°C | -0.3~40 |
動作範囲 |
BAT正常動作範囲 VBAT (V) | 7~18 | |
VIO正常動作範囲 VVIO (V) | 4.5~5.5 | ||
動作温度範囲 Ta (°C) | -40~125 | ||
消費電流(スリープ)IBAT_SLP (μA) | typ. | 5 | |
通信速度 (kbps) | max | 20 | |
異常検出機能 | 過熱検出、低電圧検出、ドミナントタイムアウト | ||
パッケージ | 名前 | P-SOP8-0405-1.27-002 | |
寸法 (mm) | typ. | 6.0×4.9 | |
信頼性試験 | AEC-Q100(Grade1)に適合予定 | ||
量産開始 | 2024年3月 |
新製品の詳細については下記ページをご覧ください。
当社の車載ネットワーク通信向け製品の詳細については下記ページをご覧ください。
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