製品情報 2024-04
当社は、直流送電システム、産業用モータードライブ装置などの高電圧変換装置用に開発した4500 V/1000 A定格の圧接型IEGT[注1]「ST1000GXH35」を製品化しました。
新製品ST1000GXH35は、トレンチ型IEGT チップと高速ダイオードチップを搭載しています。
IEGTチップは、コレクター・エミッター間飽和電圧低減、遮断耐量向上、短絡耐量向上、および高温対応を実現しています。これにより、従来製品ST750GXH24と比べて、コレクター・エミッター間飽和電圧 (VCE(sat)) [注2]が標準3.00 Vから2.15 Vへ約28 %低減しました。
高速ダイオードチップは、逆回復時の電圧振動抑制、逆回復耐量向上、高温対応を実現しています。これにより、従来製品と比べて、ターンオンスピードを上げて使用できるため、ターンオンスイッチング損失 (Eon)[注3][注4]が標準4.15 Jから2.75 Jへ約34 %低減しました。
また、高電圧を必要とするアプリケーションに対応し、遮断試験、短絡試験の試験電圧を3400 V[注5]に強化しました。さらに、高温対応が可能になったことで、接合温度が最大125 °Cから150 °Cに向上しました。
ST1000GXH35は、直流送電システム、静止型無効電力補償装置、産業用モータードライブ装置などの高電圧変換装置の小型化、高出力化に貢献します。
[注1] IEGT:Injection Enhanced Gate Transistor(電子注入促進型絶縁ゲートトランジスター)の略
[注2] VCE(sat)測定条件:VGE=15 V、IC=750 A、Tj=125 °C
[注3] 従来製品 ST750GXH24のEon測定条件:VCC=2800 V、IC=750 A、RG(on)=10 Ω、LS≈300 nH、Tj=125 °C
[注4] 新製品ST1000GXH35のEon測定条件:VCC=2800 V、IC=750 A、RG(on)=5.6 Ω、LS≈300 nH、Tj=125 °C
[注5] 従来製品ST750GXH24の遮断試験電圧は2700 V、短絡試験電圧は3000 V
(特に指定のない限り、TC=25 °C)
品番 | ST1000GXH35 | |||
---|---|---|---|---|
パッケージ | 2-120B1S | |||
絶対最大定格 | コレクター・エミッター間電圧 VCES (V) | 4500 | ||
ゲート・エミッター間電圧 VGES (V) | ±20 | |||
コレクター電流 (DC) IC (A) | Tf=108 °C | 1000 | ||
ダイオード順電流 (DC) IF (A) | Tf=15 °C | 1000 | ||
接合温度 Tj (°C) | -40~150 | |||
電気的特性 | コレクター・エミッター間飽和電圧 VCE(sat) (V) |
VGE =15 V、IC =1000 A、 Tj=150 °C |
Typ. | 2.50 |
順電圧 VF (V) | IF=1000 A、Tj=150 °C | Typ. | 3.10 | |
ターンオンスイッチング損失 Eon (J) |
VCC=2800 V、IC=1000 A、 RG(on)=5.6 Ω、Ls≃300 nH、 Tj=150 °C |
Typ. | 3.75 | |
ターンオフスイッチング損失 Eoff (J) |
VCC=2800 V、IC=1000 A、 RG(off)=91 Ω、Ls≃300 nH、 Tj=150 °C |
Typ. | 5.25 | |
逆回復損失 Err (J) |
VCC=2800 V、IF=1000 A、 RG(on)=5.6 Ω、Ls≃300 nH、 Tj=150 °C |
Typ. | 1.70 | |
短絡耐量(パルス幅) tPSC (μs) |
VCC=3400 V、VGE=±15 V、 RG(on)=5.6 Ω、RG(off)=91 Ω、 Ls≃150 nH、Tj=125 °C |
Max | 10 |
注 : この応⽤回路例は参考例であり、量産設計に際しては⼗分な評価を⾏ってください。また、⼯業所有権の使⽤の許諾を⾏うものではありません。
* 社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。
* 本資料に掲載されている情報 (製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など) は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。