「シミュレーション」で最先端の開発を支える

PROFILE

原田 晃希

半導体 研究開発
工学研究科 電気工学専攻
2019年入社

原田 晃希 写真

試作に代わるTCADシミュレーションで、開発スピード向上に貢献

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私が所属するTCAD技術開発部は、半導体製品に関するプロセス・デバイスシミュレーションや回路モデル、PCMの技術を開発して活用することで、品質、生産性、開発スピードを向上させることがミッションです。半導体デバイス開発では、何度か試作を繰り返しながら、より良い製品を作り上げていくのですが、一つの試作に対して数カ月から長いものでは半年を要してしまいます。TCADシミュレーションはその工程を数時間から数日でコンピューター上で実施でき、開発時間短縮に大きく貢献しています。また、シミュレーションでは実測が難しいものも確認することができ、さらに条件の変更なども比較的容易であるため現象解明などにも有用です。そのため、試作する上での条件決定、想定と違う実測結果が出たときの原因究明など、試作デバイスの状態理解といったことにTCADを活用しています。

測定値と実測値のマッチが自信と喜びに

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シミュレーションでは、プロセス条件だけではなくデバイス内部の状態や物理現象に至るまで操作できます。そのため原因の切り分けを行いやすく、実測では測定できないこともシミュレーション内のデータを見れば分かることもあります。そういったシミュレーションならではの試行を繰り返すことで、実測では観測できていてもシミュレーションで確認できなかった現象を再現できたときは面白さを感じます。

シミュレーションと実測値の差異、つまり思った通りの試作結果が出ないことも多くあります。そうなるとシミュレーションを実施した立場として、シミュレーションのどこが悪いのかを手元のデータと突き合わせながら、シミュレーションを実測に合わせるための試行錯誤を行います。実測を説明できるようなものが明確に見つかれば良いのですが、まだまだ確信が持てないことも多くあります。シミュレーションによって予測した数値が実測データと合うことによって裏付けされると、「自分がやっていたことは間違いではなかった」と安堵するとともに、開発の方々との努力が実ったことに大きな喜びを感じます。

さらに経験を重ねて、開発に生かされる解析を

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現在は仕事にもだいぶ慣れ、自分たちのシミュレーションで得られた知見が、開発の現場でどのように使われているかの理解が深まりました。入社当初は求められていることに対して違う解釈をしてしまったり、情報共有のズレがあったり…今ではそのようなこともなくなり、足踏みをすることも少なくなりました。

今後はもっともっと知識と経験を深めることにより、シミュレーションと実測の溝を少しでも縮められるような技術者になりたいと考えています。シミュレーションと実測の違い、具体的には、実際の材料を使って実際の機械で計測したらどのような違いが出るのか、その違いを一致する方向にもっていくにはどうすればよいかなどを、経験を積むことによって知識を高めていきたいと思います。

とある1日のスケジュール

9:00 在宅勤務開始 メールチェック、今日のスケジュール確認
9:30 前日に実行したシミュレーション結果の分析
11:00 分析結果を受けて追加シミュレーション実行
11:45 昼食
13:00 事業部と製品開発についてオンライン会議
14:00 上司に進捗報告と相談
15:00 シミュレーション結果の分析、まとめ
17:00 今晩行うシミュレーションを実行
18:00 業務終了

 

 

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