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SiC (シリコンカーバイド) SBDの順電圧の温度毎のIF-VFカーブ例を図1に示します。
IFが小さい領域では通常のSi(図2)と同様に、高温になるに従い(同じ電流で)順電圧(VF)が下がっていますが、大きい領域では(同じ順電圧で)順電流(IF)が下がっています。
この変化は半導体の抵抗成分が熱により変化することから生じます。
要因としては①格子振動による電子の拡散、②ドナー電子の伝導帯への励起の2つの影響が大きいためです。
SiCなどのワイドバンドギャップ半導体は結合力が強く格子振動の影響がSiに比較して大きくなります。またバンドギャップが大きいことからドナーがSiに比較して励起しにくくなります。このようなことから図のような特性を示すと考えられます。この現象はSiダイオードでも定格電流を超えた高い電流レベルで生じます。
このためダイオードの並列接続を行った場合、Siダイオードでは熱暴走する可能性があります。SiC SBDでは通電電流に注意して設計することにより、比較的容易に並列接続を構成できます。