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ソフトスイッチングの応用回路として電流共振形IH調理器の例を図(a)に、動作および波形を図(b)に示します。加熱コイルL1とコンデンサーC1とが共振することにより負荷電流は、正弦波電流となります。(IGBTに印加される電圧は矩形波となります。)IGBT1が、ターンオンしL1とC1による共振電流が流れ、その後IGBT1はターンオフ、共振電流はL1ーC1ーFWD2の閉ループで流れ続けます。次にこの共振電流が反転するタイミングでIGBT2がターンオン、C1ーL1ーIGBT2の閉ループで共振電流が通電されます。その後、IGBT2はターンオフし、L1ーFWD2ーC2ーC1のループで還流し、電流零のタイミングでIGBT1がターンオンし前述の動作を繰り返します。
電圧共振回路と比較すると、部品点数は増えますが、出力の大きい据付型の調理器や高周波スイッチングが必要なAl鍋調理(オールメタル対応)などに応用されています。
なお、入力電源は、動作を安定させるためにPFC回路によるDC電圧が望まれますが、実際の応用では、PFC機能無しで高力率を実現しています。C2は、1サイクルの安定したスイッチング動作を確保できる程度の少ない容量に設定され、AC電源の負荷電流は正弦波形を描くように設計されています。
シンボル | 測定ポイント |
---|---|
VGE1 | IGBT1のゲート・エミッター間電圧 |
VCE1 | IGBT1のコレクター・エミッター間電圧 |
VGE2 | IGBT2のゲート・エミッター間電圧 |
VCE2 | IGBT2のコレクター・エミッター間電圧 |
以降は、1から4の繰り返し。