Si MOSFET/IGBTからSiC MOSFETに換えると、何が変わりますか?

Si IGBTからSiC MOSFETに置き換えることで高周波化によるセットの小型・軽量化と高効率な電力変換が実現できます。Si MOSFET/IGBTと、SiC MOSFETの特徴について、比較したイメージを表1に示します。

*:Fast Recovery Diode  ★:数が多い程、相対的に優れている事を示す
電気的特性項目 シンボル
(改善方向)
実使用上の関係 Si 材料 SiC 材料
MOSFET IGBT
(*FRD内蔵)
MOSFET
(SBD内蔵)
耐圧(大) セットの高耐圧化 ★★ ★★★ ★★★
スイッチング損失(小) 効率(ターンオン/オフ時の損失の小ささ) ★★ ★★★
内蔵ダイオードの順電圧(小) 効率(ダイオード通電時の損失の小ささ) ★★ ★★ ★★★
内蔵ダイオードの逆回復時間trr(小) 効率(ターンオン損失の小ささ) ★★ ★★★


表1  Si MOSFET、Si IGBT、SiC MOSFETの特徴比較

当社のSiC MOSFETとSi IGBT をTa=25°Cの環境下においてスイッチングさせたときの損失波形を図1(a)および(b)に示します。SiC MOSFETの場合、Si IGBTに比べてターンオフ損失およびターンオン損失で65%低減しています。

①ターンオン損失の低減は、 SiC MOSFETに内蔵されているSiC SBDの方が、Si IGBTに内蔵されているSi FRDよりも損失に影響するtrr・Irrが、小さいことが影響しています。

②ターンオフ損失の低減は 、SiC MOSFETは、Si IGBTのように少数キャリアの蓄積が無く、テール電流による損失が無いことが影響しています。

図1(a) SiC MOSFETとSi IGBTターンオンスイッチング損失
図1(a) SiC MOSFETとSi IGBTターンオンスイッチング損失
図1(b) SiC MOSFETとSi IGBTターンオフスイッチング損失
図1(b) SiC MOSFETとSi IGBTターンオフスイッチング損失

関連リンク

以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

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