4-2.LDOレギュレーターの損失と接合温度

𝑃 = (𝑉𝐼𝑁 − 𝑉𝑂𝑈𝑇) × 𝐼𝑂𝑈𝑇 + 𝑉𝐼𝑁 × 𝐼𝐵 ・・・(1)

LDOレギュレーターの損失は、(1)式から求められます。

𝑃 = (𝑉𝐼𝑁 − 𝑉𝑂𝑈𝑇) × 𝐼𝑂𝑈𝑇 ・・・(2)

ここで、VIN x IBの項の値が非常に小さく無視できるときには、(2)式のように近似できます。

𝑇𝑗 = 𝑃 × 𝑅𝑡ℎ (𝑗 − 𝑎) + 𝑇𝑎 ・・・(3)

また、LDOレギュレーターの接合温度Tjは、(3)式から求められます。

𝑅(𝑡ℎ(𝑗−𝑎)) = (𝑇𝑗(𝑚𝑎𝑥) − 25) / 𝑃𝐷 ・・・(4)

Rth(j-a)はLDOレギュレーターを基板に実装したときの熱抵抗です。データシートにRth(j-a)が記載されておらず、許容損失PDが記載されているときのRth(j-a)は(4)式から求めることができます。

𝑇𝑗 = 𝑃 × (𝑇(𝑗(𝑚𝑎𝑥)) − 25) / 𝑃𝐷 + 𝑇𝑎 ・・・(5)

(4)式を(3)式に代入すると

𝑇𝑗 = (3.6 − 1.8) × 0.1 × (150 − 25) / 0.6 + 40 = 77.5°C

となります。
ここで、Tj(max) = 150 °C、PD = 600 mWのLDOレギュレーターをVIN = 3.6 V、VOUT = 1.8 V、IOUT = 100 mA、Ta = 40 °Cの条件で使用したときの接合温度Tj は、

と求めることができます。

ただし、データシートに記載された許容損失や熱抵抗は指定の基板に実装した条件での値であり、実際に製品を使用する際には十分な評価を実施して問題がないことを確認する必要があります。

LDOレギュレーターの損失と接合温度については次のリンク先にも説明が記載されていますのでご参照ください。

アプリケーションノート「ロードロップアウト レギュレーターIC(LDO)の基礎

アプリケーションノート「LDOの性能を最大限に引き出すための適切な熱設計方法

アプリケーションノート「LDOの電力効率を最大化する2電源LDO応用回路

4章 効率・損失の計算方法

4-1.LDOレギュレーターの効率

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