2-1 等価回路イメージおよび効果

図2.2 ESD保護ダイオード の等価回路イメージ
図2.2 ESD保護ダイオード の等価回路イメージ

通常動作時
 ESD保護用ダイオードは、通常、信号ライン-GND 間に配置されます。そのため、定常状態の動作ではダイオードはキャパシタンスとして⾒えます。このキャパシタンスが信号ラインのレジスタンスとLPF (Low Pass Filter) を形成するため、信号速度 (特に高速信号USB3.0 やUSB3.1 など) によっては、信号ロス (挿入損失: Insertion Loss (以下IL) )が生じ信号品質を劣化させることになります。
サージ侵入時
サージや外乱ノイズ侵入時は、 ESD保護用ダイオードの有無により後段素⼦ (IC など) への影響度が⼤きく異なります。 ESD保護用ダイオードがない場合は、侵入したサージ電流がダイレクトに後段素⼦にかかり誤動作や破壊に至ります。⼀方で、 ESD保護用ダイオードがある場合は、サージ電流をESD保護用ダイオードがサージ電流をグランドに逃がします。この逃がしやすさを示す指標がESD保護用ダイオードの動的抵抗 (ダイナミック抵抗:Rdyn) です。この動的抵抗が低ければ低いほど、サージ電流をよりグランドへ流すことができます。また、そのダイナミック抵抗間 (両端) に発生する電圧 (クランプ電圧) を抑えることができます。よって後段素⼦への残留電流 (吸収できなかったサージ電流) を抑えることができ、後段素⼦を保護する性能が向上します。 

2 TVSダイオード (ESD保護用ダイオード) の基本動作

2 TVSダイオード (ESD保護用ダイオード) の基本動作

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