超音波モーター制御技術-MCUによる高分解能コントロール

超音波モーターの動作原理をわかりやすく解説しています。また、超音波モーターを高分解能で制御する方法と、その用途に最適な東芝TX03シリーズのMCUをご紹介いたします。

超音波モーターは、人間の耳には聞こえない超音波(周波数20kHz以上)を使ってローターを移動させるモーターです。通常のモーターは永久磁石やコイルを用いてローターを回転させますが、超音波モーターでは超音波の発生のために圧電素子を使用します。圧電素子は2つの端子に電位差を与えますと、電位の向きによって膨張、または収縮します。この膨張・収縮により超音波が発生します。

超音波モーターはモーター自体の形に自由度があり、従来よりもはるかに薄いモーターや、まっすぐなモーターなどを作ることができます。最近の使用例では、一眼レフやミラーレス・カメラの交換レンズが挙げられます。焦点を合わせるため、レンズが回転しながら前後に動きますが、この、レンズの回転運動をさせるためにリング状の超音波モーターが使われています。

超音波モーターってどう動くのでしょうか?
真っ直ぐな超音波モーターで説明します。

直線形の超音波モーターがどのように動作するのかを説明します。
まず、細長い四角い棒の底面に、等間隔に圧電素子を貼り付けます。圧電素子を1個おきにそれぞれつなぎ、電極を付けます。この電極に+、および、-の電位を交互に与えます。すると、圧電素子が上下に震動し、その震動が細棒の上面にまで伝わります。圧電素子の大きさ、並べ方、与える電圧値、その電圧の周波数、細棒の材質や厚さなどを決めて、もっとも効率よく震動が伝わるようにします。

直線形の超音波モーターの図
直線形の超音波モーター

細棒の上面には規則正しく並んだ突起を付けておきます。
圧電素子に電圧を加え、細棒の表面に正弦波を生成します。

超音波モーターの動作原理の図1
超音波モーターの動作原理

正弦波が右に進むにつれて、突起が次々に動いていきますが、その突起の頂点を追いかけると、反時計回りの楕円運動になっているのがわかります。
この細棒(ステーター)の上に細板(ローター)を置くと、その板は波の進行方向と反対方向、つまり、右から左の方向に動きます。
これが超音波モーターの動作原理の概要です。

動作原理はわかりましたか?
超音波の進む方向と逆の方向にローターが動くのがおもしろいですね。

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