ワイドバンドギャップ半導体とは

バンドギャップ

電子やホールが価電子帯から伝導帯に遷移するために必要なエネルギーをバンドギャップと言います。通常のSi(シリコン)では1.12eV(エレクトロンボルト)ですが、この値が大きい半導体をワイドバンドギャップ半導体と位置付けています。最近話題のSiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)などが相当します。

下表に物性定数を示します。

ワイドバンドギャップ半導体は格子定数が小さく、原子間の結合力が大きくなります。これにより絶縁破壊強度・熱伝導度などが高くなります。

4H-SiCはバンドギャップが3.26eV、絶縁破壊電界強度はSiの3×105に対し、2.8×106と非常に大きな値になっています。

代表的な半導体材料比較の物性定数

項目 単位 Si 4H-SiC 6H-SiC 3C-SiC GaN GaAs ダイヤモンド
バンドギャップ eV 1.12 3.26 3.02 2.23 3.39 1.43 5.47
電子移動度 μe cm2/Vs 1400 1000/1200 450/100 1000 900 8500 2200
正孔移動度 μh 600 120 100 50 150 400 1600

絶縁破壊電界強度 Ec

V/cm 3.0×105 2.8×106 3.0×106 1.5×106 3.3×106 4.0×105 1.0×107
熱伝導度 λ W/cmK 1.5 4.9 4.9 4.9 2.0 0.5 20

飽和速度 Vsat  

cm/s 1.0×107 2.2×107 1.9×107 2.7×107 2.7x107 2.0×107 2.7×107

誘電率 ε

  11.8 9.7/10.2 9.7/10.2 9.7 9.0 12.8 5.5

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