MOSFETのデータシートに記載されている最大定格とは何ですか？

絶対最大定格とは、瞬時といえども動作中に定格値を超えてはならない規格です。注意すべき点は、いかなる条件でも絶対最大定格を逸脱しない様に回路設計をすることです。定格を超えて使用した場合、特性が回復しない場合もあります。

MOSFETに流し得る電流や、印加可能な電圧、電力損失などの最大許容値は最大定格値として定められています。回路設計においては供給電圧の変動、電気部品の特性のバラつき、回路調整時の最大定格オーバー、周囲温度の変化、入力信号の変動などに注意し、定格の1つでも超えることは避けなければなりません。用途に応じた適切なデバイスを選択ください。

また、絶対最大定格や動作範囲内でもディレーティングの程度により、信頼度が大きく変化します。
ディレーティングに関しては下記のリンク先に情報がございますので、参考にしてください。

（製品によって規定している項目が異なります。指定のない限り、測定条件はTa=25°C）

項目

記号

単位

説明
ドレイン・ソース間電圧 VDSS V ゲート・ソース間を短絡した状態で、ドレイン・ソース間に許容される電圧の最大値です。
ゲート・ソース間電圧 VGSS V ドレイン・ソース間を短絡した状態で、ゲート・ソース間に許容される電圧の最大値です。
ドレイン電流 DC ID A ドレイン・ソースに許容される直流電流の最大値です。
パルス IDP パルス動作において許容されるドレイン電流の最大ピーク値です。
許容損失（Tc=25°C）

PD

W

MOSFETに許容される損失の最大値です。
アバランシェ電流

IAS

A

アバランシェ状態で許容できる最大ピーク電流（非繰り返し）です。
アバランシェエネルギー

EAS

mJ

アバランシェ降伏時の最大許容損失エネルギー（非繰り返し）です。
チャネル温度

Tch

°C

MOSFETの動作が許容されるチップ温度の最大値です。
保存温度

Tstg

°C

MOSFETに電圧を印加しない状態で保存できる温度の最大値です。
絶縁耐圧

VISO(RMS)

V

パッケージの指定されたケース部分と電極端子間の絶縁耐圧の最大値です。
締め付けトルク

TOR

N•m

ねじを回して締め付けるときに回転方向に回す力の最大値です。

表１：絶対最大定格の項目例

下記ドキュメントもご参照ください。

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