パワーMOSFETには大きなドライブ電流は必要ですか?

パワーMOSFET は一般的には大きなドライブ電流は不要です。 ただし、高速スイッチングの場合は電流ドライブ能力に注意して下さい。

バイポーラートランジスターでは低オン電圧を保持するのに、大きなベース電流が必要です。しかし、MOSFET は電圧制御素子ですのでゲートに電荷をチャージするだけの小さな電力でドライブができます。 ただし、パワーMOSFET の入力容量 Ciss はやや大きいため、特に高速スイッチングの場合、低インピーダンスドライブ回路で入力容量を急速に充電する必要があります。

充電のために必要なゲート電流の目安としては、データシート上に規定しておりますQg特性からドライブ電流を簡易的に算出可能です。要求されるスイッチング時間をt(desired)(たとえばtonやtoff)とすると下式となります。
Ig=Qg/t(desired)

図1:MOSFETの寄生容量
図1:MOSFETの寄生容量
図2:スイッチング回路の測定回路
図2:スイッチング回路の測定回路

関連する情報として、アプリケーションノート「電気的特性:パワーMOSFET アプリケーションノート」に電荷容量特性がありますので、こちらもご参照ください。