5-1.LDOレギュレーターを使用する際の注意点

LDOレギュレーターを使用したシステムを設計する際には下記の注意が必要です。

LDOレギュレーターの出力端子電圧が入力端子電圧より高くなった場合
LDOレギュレーターの出力端子の電圧が入力端子の電圧よりも高くなった場合、出力端子から入力端子へ電流が逆流してデバイスの劣化や破壊を招く恐れがあります。このような状態が発生可能性がある場合には、VIN端子とVOUT端子間にバイパスダイオードを接続してください(図1)。
または、電源とVIN端子間に直列に逆流防止用のダイオードを接続するなどの対策をしてください(図2)。
逆流防止ダイオードを使用するときには、ダイオードの順方向電圧VFによる電圧降下を考慮の上、入力電圧範囲内で問題がないことを確認してください。使用するダイオードについては、十分な逆電圧VRと順方向電流IFのディレーティングを考慮の上、順方向電圧VFとリーク電流IRの小さい製品を選択してください。

バイパスダイオード
逆流防止用ダイオード

LDOレギュレーターの出力端子電圧が入力電圧よりも高くなったときについては次のリンク先にも説明が記載されていますのでご参照ください。

アプリケーションノート「ロードロップアウト レギュレーターIC(LDO)の基礎

FAQ「LDOが逆接続(逆バイアス)されて出力端子電圧が入力端子電圧より高くなっても、問題ありませんか?

出力電圧の平滑用にセラミックコンデンサーを使用する場合
セラミックコンデンサーは、等価直列抵抗(ESR)が非常に小さく、小型で大容量化が進んでおり、LDOレギュレーターの電圧平滑用には好適なコンデンサーです。しかしながら、セラミックコンデンサーの容量は電圧特性や温度特性があります。とくに、LDOレギュレーターでは出力コンデンサーの容量値が負帰還動作に大きな影響を与えます。セラミックコンデンサーの容量値を選定するときには、コンデンサーの電圧や温度依存性を考慮した評価を十分に実施して問題がないことを確認してください。

セラミックコンデンサーの容量(基準化) – 印加電圧特性例
セラミックコンデンサーの容量(基準化) – 印加電圧特性例
セラミックコンデンサーの容量特性(基準化) ー 温度特性例
セラミックコンデンサーの容量特性(基準化) ー 温度特性例

LDOレギュレーターの出力端子に平滑用のセラミックコンデンサーを使用するときについては次のリンク先にも説明が記載されていますのでご参照ください。

アプリケーションノート「ロードロップアウトレギュレーターIC(LDO)の基礎

アプリケーションノート「LDOの発振原理と発振耐性向上について

FAQ「LDOには、どのようなコンデンサーを使用すればよいですか?

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