放熱板の熱抵抗の求め方を教えて下さい。

オーディオパワーICの放熱設計について説明します。

図-1 熱モデルとパッケージ各部名称
図-1 熱モデルとパッケージ各部名称

熱モデルとパッケージ各部名称を図-1に示します。各記号の意味は下記の通りです。

Pd : ICの消費電力(電力損失)
Ta : 動作周囲温度
Tj : ジャンクション温度
Tc : case温度
Ttab : tab温度
Rth(j-c) : ジャンクション - case間の熱抵抗
Rth(j-t) : ジャンクション - tab間の熱抵抗
Rth(HS) : 放熱板(外付けヒートシンク)の熱抵抗

図-2 出力電力と消費電力(電力損失)
図-2 出力電力と消費電力(電力損失)

HZIP25パッケージ製品で、動作周囲温度Taが40℃のとき、チャネル当たりの出力電力が4Wの状態で、ICの定格であるTj=150℃未満となる放熱板(外付けヒートシンク)サイズを求める方法を例に詳しく解説します。

はじめに、図-2よりチャネル当たりの出力電力が4Wのときの消費電力(電力損失)を読み取ります。(Pd=15.3W)

図-3 放熱板面積と熱抵抗例
図-3 放熱板面積と熱抵抗例

次に、下記熱抵抗算出式を用いて必要な放熱板(外付けヒートシンク)の熱抵抗Rth(HS)を求めます。
HZIP25パッケージの場合、ジャンクション - tab間の熱抵抗Rth(j-t)は1.0℃/Wです。(データシートに記載しています。)

Tj > ( Rth(j-t) + Rth(HS) ) * Pd + Ta
150 > ( 1.0 + Rth(HS) ) * 15.3 + 40
Rth(HS) < 4.88 ℃/W

最後に図-3を用いて必要な放熱板(外付けヒートシンク)サイズを読み取ります。
2mmのアルミニウム板の場合、121cm^2 以上の放熱板(外付けヒートシンク)サイズが必要であると概算できます。

なお、説明で使用した図-2は各製品のデータシート、図-3は放熱板(外付けヒートシンク)メーカーのWebページなどから入手が可能です。

関連リンク

以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

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