消費電流、消費電力の計算を教えてください。

消費電流はBATTERYからオーディオパワーICの電源端子に流入する電流で、図-1のように電流計を用いて測定します。得られた消費電流とBATTERY電圧の積が入力電力となります。

図-1 消費電流測定回路
図-1 消費電流測定回路

出力電力の測定方法を図-2に示します。
BTL*1アンプの場合は出力端子間にスピーカーに相当する負荷抵抗を接続し、その両端の交流電圧(実効値)を交流電圧計で測定します。
得られた交流電圧値と負荷抵抗値を用いて出力電力を計算します。( 出力電力 = 交流電圧値^2 / 負荷抵抗 )

* :内蔵アンプ数が多チャネルの製品は、各々のチャネルにて出力電力を計算し、合算値を出力電力とします
*1 :BTL:Bridge Tied Loadの略

図-2 消費電力測定回路
図-2 消費電力測定回路
図-3 Pd vs 出力電力
図-3 Pd vs 出力電力

最後に消費電力(電力損失)を、以下の計算式で求めます。
消費電力 Pd = 入力電力 Pin – 総出力電力 Pout(Total) = 電源電圧Vbat*消費電流Iin – 1ch当たりの出力電力Pout*チャネル数N

なお、測定の際に配線抵抗等により電圧降下が生じると正確な結果が得られません。オーディオパワーICの端子近傍で電圧測定を実施いただくことをお勧めします。

参考例として、4チャネル オーディオパワーICの計算例を以下に示します。
BATTERY電圧が14.4V、各チャネルの出力電力が1Wの時の場合の消費電力(電力損失)
BATTERY電圧 Vbat = 14.4V
消費電流 Iin = 0.8A (測定値)
出力電力 Pout = 1W (1チャネル当たり)
チャネル数N = 4チャネル

消費電力 Pd = ( Vbat * Iin ) - ( Pout * N )
                 = ( 14.4 * 0.8 ) – ( 1 * 4 )
                 = 11.52 - 4
                 = 7.52 [W]

本計算結果は、データシートに記載している図-3の 「 Pd vs 出力電力 」 グラフにおいて、破線の交点を示しています。

関連リンク

以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

FAQ

製品ページ

アプリケーション