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高い周波数での利用に対しては、スルーレートとユニティゲインの周波数(fT)の2つの要素を考える必要があります。
使用する周波数に対しスルーレートが低ければ、方形波は台形波に正弦波は三角波になってしまいます。オープンループゲインの3dBカットオフ周波数を超える周波数では増幅率が低下します。このカットオフ周波数とユニティゲインの周波数は比例します。
この部分では製品ごとに増幅率のばらつきがあるだけでなく、帯域幅を持つ信号を入力すると増幅率の傾きにより波形ひずみが生じます。負帰還をかけて使用帯域までフラットなゲインとなるように使用してください。ユニティゲインに近い周波数では発振も注意が必要です。オペアンプのe-learning 2.3. 発振 に説明があります。参考にしてください。
立ち上がり/立ち下がりに対する応答性能図-3に示すように、理想方形波 (立ち上がりの早い方形波) をオペアンプに入力しても出力波形は理想方形波にはなりません。出力波形が1μsecに変化する電圧をスルーレートと呼びます。
図-3を見てわかるように、適切なスルーレートの製品を選択しないと方形波は台形になり、正弦波は三角波となります。
利得(ゲイン)がユニティゲイン(0dB)となる周波数。
図-2に示すようにfTが高い製品は同じ閉ループ利得(クローズドループゲイン)で帯域幅を広くとることができます。
スルーレートが不足すると波形の形が変わり、歪が悪くなります。
出力できる最大の周波数 fmax をスルーレートから求めます。
簡単に説明するため、まずユニティゲインで使用する場合を想定して説明します。
スルーレート(SR)は以下の式で表されます。
SR = ΔVo / Δtr or ΔVo/ Δtf
出力信号を微分した最大値がこのSRより高くなると波形歪が生じます。
従って、入力される振幅Aの正弦波を Vin = Vout = Asinωtとすると、入力信号の振幅の変化(微分値)の最大値がスルーレート以下であれば波形は歪まないことになります。
入力信号の微分値はdVout / dt = Aωcosωt ですので最大値は Aω になります。
従って、振幅Aのときの理論的に歪まない最大周波数 fmaxは
SR = Aω =2πfmaxA
fmax = SR / 2πA
ユニティゲイン以外で使用する場合、増幅回路の電圧ゲインをAv倍とすると、
Vo=Av x Vinになります。
ユニティゲインのときと同様に考えると
dVout / dt = AvAω cosωt
SR = AvAω = AvA2πfmax
fmax = SR / 2πAAv
実際の設計時には、必要になる周波数に対し余裕を持った最大周波数とする必要があります。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。