よくCPUなどゲートドライバー側とMOSFETのゲートの間に抵抗を入れた回路を見ます。この抵抗が必要な理由は何ですか?

ゲート抵抗は、ゲートドライバー側の過電流制御やスイッチング時のドレイン・ソース間のオーバーシュート電圧の低減(EMIノイズ低減)等の為使われます。

MOSFETに動作に関しては接続するゲートの抵抗値によってMOSFETのスイッチング時間(立ち上がり・立ち下がり時間)が変わります。
スイッチング時間が、短い場合、と長い場合にそれぞれ下記の問題が発生する可能性がありますのでシステムに合ったスイッチング時間を設定して下さい。

  • ゲートの抵抗値が小さい場合は、
    スイッチング時間が短くなり、リンギング(減衰振動)が起きる可能性があります。
    リンギングは発振やEMIノイズの原因になる可能性があります。
  • ゲートの抵抗値が大きい場合は、
    スイッチング時間が長くなり、スイッチング損失が増えて発熱します。
    ブリッジ回路では接続するゲートの抵抗の組み合わせにより上段下段間MOSFETの短絡が起こる可能性があります。

そのため、ゲートに接続する抵抗は最適な値を検討する必要があります。

また、MOSFET並列動作における寄生発振の抑止方法については、FAQ「MOSFETを並列に使用する場合、何に注意すればいいですか?」をご参照下さい。

MOSFETを並列に使用する場合、何に注意すればいいですか?

図1:出力波形:ゲート抵抗が小の例
図1:出力波形:ゲート抵抗が小の例
図2:出力波形:ゲート抵抗が適正時の例
図2:出力波形:ゲート抵抗が適正時の例
図3:出力波形:ゲート抵抗が大の例
図3:出力波形:ゲート抵抗が大の例

下記ページ、ドキュメントもご参照ください。