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一般的にはベース電流の直流電流増幅率 hFE倍の電流がコレクター電流として、コレクター・エミッター間に流れます。
例えば、2SC2712ではhFEの規格は表-1に示すとおりです。
この動作をさせるためにトランジスターはエミッター(E)の不純物濃度 >> ベース(B)の不純物濃度 > コレクター(C)の不純物濃度とし、ベースを薄くしています。これにより、既定の電圧条件(B・E間順バイアス、B・C間逆バイアス:活性領域)の時に、B・E間がオンして濃度の濃いEの少数キャリアがBに流れ込みます。流れ込むキャリア量はB・E間の電圧(ベース電流)によって下げられる障壁高さにより決まります。また、流れ込んだキャリアはベースの少数キャリアと再結合をほとんどせずにCに流れ込みます。これにより高いhFEを実現しています。
実際には、hFEは上記の活性領域でも定量ではなくB・C間の逆バイアスが大きくなるとhFEが大きくなります。これはB・C間の逆バイアスが大きくなることにより、B・C間の空乏層が広がり、実効的なベースが狭まることによります。これをアーリー効果(ベース変調効果)と呼びます。
また、B・Cが順バイアスとなる飽和領域ではhFEは低くなります。この領域ではB・E間、B・C間とも順バイアスとなっており、上記で説明したトランジスターの動作ではなく、オン時は抵抗のように動作します。コレクターには過剰なキャリアが滞留します。コレクターキャリアがあることで、低不純物濃度であるコレクター層の抵抗値が下がりトランジスター飽和電圧 VCE(sat)が下がります。これを伝導度変調効果と呼びます。ただし、この過剰キャリアがあるためにオンからオフへの移行時の時間(蓄積時間)が必要となります。
また図-2に示すように、hFEは周囲温度の影響を受けます。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。