モータードライバーの出力にコンデンサーをつけたいのですが問題ありますか?

EMI対策として、モータードライバーICの出力にコンデンサーをつけることはできます。

図-1 出力にコンデンサーをつける回路例
図-1 出力にコンデンサーをつける回路例

EMI(Electro Magnetic Interference)は、半導体などの電子部品から電磁ノイズが放出され、外部の電子部品やシステムの動作に不具合が生じることです。出力にコンデンサーをつけるのは、電磁ノイズの発生を抑えることができます。

図-2 TB67S539FTGスルーレート波形参考例
図-2 TB67S539FTGスルーレート波形参考例

例えば上の図のようにEMI対策で、出力にコンデンサーを接続する場合、スイッチングする時にコンデンサーに突入電流が流れます。この突入電流はコンデンサーの容量とICの出力スルーレートと関係あります。
突入電流が最大定格電流を超えないようにマージンをもってコンデンサーの容量を選定しなければなりません。

コンデンサーの容量選定は、下記の例を参考してください。図-2はステッピングモータードライバーTB67S539FTGの出力端子のスルーレート波形になります。立ち上がり時間[tr]は65.0nsで、立ち下がり時間[tf]は69.1nsです。

・ コンデンサーへの突入電流[I]は、電源電圧[Vm]とコンデンサーのインピーダンス[ZC] から見積もります

I=Vm/ZC……………………………………………………………(1)

・ 出力コンデンサーのインピーダンス[ZC]はスルーレート[tr]とコンデンサー容量[C]から次の式で求められます

ZC =1/jωC  ω=2π f=2π /tr…………………………………(2)

・以上の式を[Imax]について解くと、出力コンデンサーの最大容量[Cmax]は次のようになります。

Cmax= Imax tr /2π Vm……………………………………………(3)

ここで、電源電圧[Vm]24V、最大定格電流[Imax]2A、スルーレート[tr]65.0nsとします。計算式(3)から出力コンデンサーの最大容量[Cmax]は約860pFだと計算できます。マージンをもって、この容量以下のコンデンサーから試してください。

この計算はあくまでも参考例であり、部品の特性や使用環境などによって、実際の状況とは異なる可能性があります。

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以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

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