2電源レベルシフター

単方向の信号レベルダウン/レベルアップについては、入力トレラント機能を持つ単電源デバイスや、TTL入力機能を持つ単電源デバイスでも実現できます。しかし、細かい信号レベル変換が必要な場合や、双方向レベル変換をする場合は、2電源レベルシフターを使用すると便利です。

単方向のレベルアップ(2電源タイプ)

入力電圧、出力電圧をもっとフレキシブルに設定したい場合はレベル変換回路を内蔵した2電源タイプのレベルシフトICを推奨します。

電圧変換事例

VccA<VccBを条件に
幅広く電圧変換範囲を設定可能
特にLVTTLでは実現できない
低電圧領域でのレベル変換に有効
1.2V → 1.8V
1.5V → 2.5V
1.8V → 3.3V

単方向2電源レベルシフター

シリーズ

電源電圧
VccA
電源電圧
VccB

入力電圧
(Hレベル)

駆動能力
(出力電流)

動作周波数
(計算値)

レベル変換例

レベルシフター

TC7SP3125TU(1bit)
TC7WP3125FK(2bit)

1.1~2.7V

1.65~3.6V

VccA×0.65V

±12mA
@VccB=3.0V

~64MHz
@1.8V→3.3V

1.2/1.5V → 1.8V
1.2/1.5/1.8V → 2.5V
1.2/1.5/1.8/2.5V → 3.3V
TC7SPN3125TU(1bit)
TC7WPN3125FK(2bit)

1.1~2.7V

1.65~3.6V

VccA×0.65V

±3mA
@VccB=3.0V

~34MHz
@1.8V→3.3V

TC7SPN334L6X(1bit)

1.1~2.7V

VccA~3.6V

VccA×0.65V

±3mA
@VccB=3.0V

~132MHz
@1.8V→3.3V

1.2V → 1.5V
1.2/1.5V → 1.8V
1.2/1.5/1.8V → 2.5V
1.2/1.5/1.8/2.5V → 3.3V

細かいレベル変換が必要な場合は、単方向の2電源レベルシフターをご使用ください。
VccA側とVccB側の2つの電源が必要になりますが、内部にレベル変換回路を内蔵している為、よりフレキシブルな電圧レベル変換が可能になります。特にLVTTLでは実現できない、低電圧領域でのレベル変換に有効です。
TC7SP/WPシリーズはVccA側が1.1Vから動作保証していますので、1.2Vシステムから1.8V、3.3Vシステムへレベルアップが可能です。

双方向のレベルアップ/レベルダウン (2電源バッファータイプ)

  • 製品内部にレベル変換回路を持った2電源レベルシフター
  • 出力駆動力を持つ3ステートバッファータイプの製品
  • DIR端子を用いて信号方向を制御する必要あり
  • 数十MHzの周波数帯で使用可能
電圧変換事例
ブロック図(1回路分)

双方向2電源レベルシフター (バッファータイプ)

シリーズ

電源電圧
VccA
電源電圧
VccB

制御端子

駆動能力
(出力電流)

動作周波数
(計算値)

追加機能

レベル変換例

CMOSロジックIC

TC74LCX163245
(16-bit: 8-bit×2)

4.5~5.5 V

2.3~3.6 V

VCCB

±24mA
@VCC = 3.0 V

~71MHz
@3.3V⇔5.0V

-

2.5/3.3 V ⇔ 5.0 V

TC74LCXR163245
(16-bit: 8-bit×2)

4.5~5.5 V

2.3~3.6 V

VCCB 側

±12mA
@VCC = 3.0 V

~59MHz
@3.3V⇔5.0V

ノイズ低減用
シリアル抵抗付

2.5/3.3 V ⇔ 5.0 V

TC74LCX164245
(16-bit: 8-bit×2)

2.3~3.6 V

4.5~5.5 V

VCCB 側

±24mA
@VCC = 3.0 V

~86MHz
@3.3V⇔5.0V

-

2.5/3.3 V ⇔ 5.0 V

TC74LCXR164245
(16-bit: 8-bit×2)

2.3~3.6 V

4.5~5.5 V

VCCB 側

±12mA
@VCC = 3.0 V

~74MHz
@3.3V⇔5.0V

ノイズ低減用
シリアル抵抗付

2.5/3.3 V ⇔ 5.0 V

TC74VCX163245
(16-bit: 8-bit×2)

2.3~3.6 V

1.65~3.6 V

VCCB 側

±24mA
@VCC = 3.0 V

~70MHz
@1.8V⇔3.3V

-

1.8/2.5 V ⇔ 3.3 V

TC74VCX164245
(16-bit: 8-bit×2)

1.65~2.7 V

2.3~3.6 V

VCCB 側

±24mA
@VCC = 3.0 V

~70MHz
@1.8V⇔3.3V

-

2.5 V, 3.3 V ⇔ 5.0 V

レベルシフター

TC7MP3125FK
TC7MP3125FT
(4-bit: 2-bit×2)

1.1~2.7 V

1.65~3.6 V

VCCA 側

±12mA
@VCC = 3.0 V

~56MHz
@1.8V⇔3.3V

低消費電流回路

1.2/1.5/1.8 V ⇔ 2.5/3.3 V
1.2/1.5V ⇔ 1.8 V

TC7MPN3125FK
TC7MPN3125FT
(4-bit: 2-bit×2)

1.1~2.7 V

1.65~3.6 V

VCCA 側

±3mA
@VCC = 3.0 V

~34MHz
@1.8V⇔3.3V

低消費電流回路
低ノイズ出力

1.2/1.5/1.8 V ⇔ 2.5/3.3 V
1.2/1.5 V ⇔ 1.8 V

2電源タイプの双方向レベルシフターには2種類あり、1つ目は2電源バッファータイプのレベルシフターです。
2つの電源が必要になりますが、レベル変換回路を内蔵しているスリーステートバッファータイプの製品です。 DIR端子をローまたはハイにすることで、入出力の方向が、A to Bまたは、B to Aに切り替わります。
ある程度高速な周波数帯で使用することができます。

双方向のレベルアップ/レベルダウン (2電源バススイッチタイプ)

  • 外付けのプルアップ抵抗でレベル変換する2電源レベルシフトバススイッチの製品
  • バススイッチタイプのため、信号方向の制御なし(DIR制御なし)に使用可能
  • I2C Busなど自動で方向が変更するデータラインに最適
  • 立ち上がり時間がプルアップ抵抗の影響を受けるため、抵抗値により対応可能な周波数が変化
  • プルアップ抵抗1MΩで数MHzの周波数帯まで使用可能
電圧変換事例
ブロック図(1回路分)

2電源レベルシフトバススイッチ

シリーズ

スイッチ
タイプ
電源電圧
VccA
電源電圧
VccB

制御端子

オン抵抗@2.3V⇔3.0V

レベル変換例

2電源レベルシフトバススイッチ

TC7SPB9306TU (1bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-High

11Ω (max)

3.3 V ⇔ 5.0 V
2.5 V ⇔ 5.0
V2.5 V ⇔ 3.3
V1.8 V ⇔ 3.3
V1.8 V ⇔ 2.5 V

TC7SPB9307TU (1bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-Low

11Ω (max)

TC7WPB9306FK (2bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-High

11Ω (max)

TC7WPB9307FK (2bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-Low

11Ω (max)

TC7QPB9306FK
TC7QPB9306FT
(4bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-High

11Ω (max)

TC7QPB9307FK
TC7QPB9307FT
(4bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-Low

11Ω (max)

TC7MPB9307FK
TC7MPB9307FT
(8bit)

SPST

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-Low

11Ω (max)

TC7MPB9326FK
TC7MPB9326FT
(2bit)

SPDT

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-High

11Ω (max)

TC7MPB9327FK
TC7MPB9327FT
(2bit)

SPDT

1.65~5.0 V

2.3~5.5 V

Active-Low

11Ω (max)

2つ目の2電源タイプの双方向レベルシフターは2電源レベルシフトバススイッチです。
外付けのプルアップ抵抗を用いてレベル変換するバススイッチタイプのレベルシフターとなっており、
信号方向の制御が不要です。そのため、I2C BUS通信のように自動で方向が切り変わるようなデータラインに適しています。
出力の立ち上がり時間はプルアップ抵抗の影響を受けるため、抵抗値によって、対応可能な周波数が変化します。
プルアップ抵抗が1MΩの時に数MHzの周波数帯まで使用可能です。