産業用機器に適したゲート駆動電流を提供するMOSFET・IGBTゲート駆動用フォトカプラーのラインアップ拡充

これは、産業用機器に適したゲート駆動電流を提供するMOSFET・IGBTゲート駆動用フォトカプラーのラインアップ拡充の画像です。

当社は、小~中容量のMOSFETやIGBTのゲート駆動向けに、フォトカプラー「TLP5791H」と「TLP5794H」の2品種を製品化し、1~6Aクラスのゲート駆動電流を提供するラインアップを拡充しました。

近年、グリーンエナジーやファクトリーオートメーション (FA) 市場の拡大に伴い、低電圧の制御側から高電圧のパワーデバイスへ絶縁を介して駆動する絶縁型ゲートドライバーの需要が増加しています。これらの市場では、絶縁型ゲートドライバーの駆動性能をより正確に把握する仕様の要求が高まっています。この要求に対して当社は、先にリリースしたTLP5795H[注1]と同じく、出力電流特性IOLH、IOHLを標準値として規定した、-1.0/+1.0A (typ.) のTLP5791H、-6.0/+4.0A (typ.) のTLP5794Hを製品化しました。

新製品TLP5791Hは、ピークハイレベル/ローレベル出力電流 (IOLH/IOHL) として-1.0/+1.0Aの性能を有し、UVLO[注2]スレッショルド (VUVLO+) は9.5V (max)、UVLOスレッショルド (VUVLO-) は7.5V (min)、UVLOヒステリシス (UVLOHYS) は0.5V (typ.) となっており、IGBT駆動またはMOSFET駆動に適した仕様となっております。
一方、新製品TLP5794Hは、ピークハイレベル/ローレベル出力電流 (IOLH/IOHL) として-6.0/+4.0Aの性能を有し、UVLOスレッショルド (VUVLO+) は13.5V (max)、UVLOスレッショルド (VUVLO-) は9.5V (min)、UVLOヒステリシス (UVLOHYS) は1.5V (typ.) です。この仕様は、IGBTおよびゲート負バイアス電圧定格が広めのSiC MOSFETの駆動を想定しており、正バイアス15~20V、負バイアス0~-10V程度でのパワーデバイス駆動に適した仕様となっております。アプリケーションノート「ゲートドライバーカプラー パワーデバイス ゲート負バイアス電源使用時の注意事項 (PDF: 1,241KB)」もご参考にしてください。伝搬遅延時間は温度依存性が少ないため、FA機器で定義されている実用域で安定した動作が可能です。

さらに、新製品は入力側の赤外発光ダイオードの光出力向上と受光素子 (フォトダイオードアレイ) の最適化設計により光結合効率を高め、動作温度定格-40°Cから125°Cを実現しました。これにより、PVインバーター、UPS[注3]、EVスタンドなどの厳しい熱環境で使われる産業用機器に使用できます。伝搬遅延時間や伝搬遅延スキューも動作温度定格範囲で規格化しています。パッケージは小型SO6Lを採用し、セット基板上での部品配置の自由度向上に貢献します。さらに、最小沿面距離8.0mmを確保しており、絶縁耐圧は5000Vrmsなので高い絶縁性能を必要とする用途にも対応可能です。

今後も、当社は産業用機器向けMOSFET・IGBTゲート駆動用フォトカプラーの開発を進め、ラインアップを拡充してまいります。

図 1. IGBT ゲートドライブ応用回路例
図 1. IGBT ゲートドライブ応用回路例

[注1] TLP5795Hは出力電流特性 -4.5/+5.3A (typ.)
[注2] Under Voltage Lock Outの略名。低電圧誤動作防止機能のこと。
[注3] UPS: Uninterruptible Power Supply (無停電電源装置)

新製品の主な特長

  1. IGBT/MOSFETに対応したUVLO: 9.5V (max) (TLP5791H)
    IGBT/SiC MOSFETに対応したUVLO: 13.5V (max) (TLP5794H)
  2. 安定した伝搬遅延時間

特長の解説

1. IGBT/MOSFETに対応したUVLO: 9.5V (max) (TLP5791H)
  IGBT/SiC MOSFETに対応したUVLO: 13.5V (max) (TLP5794H)

図 2. UVLOヒステリシス比較 (実測値)
図 2. UVLOヒステリシス比較 (実測値)

UVLOはグラフのとおりであり、パワーデバイスの種類に応じて3製品 (リリース済みのTLP5795Hを含む) から選択できます。

2. 安定した伝搬遅延時間

伝搬遅延時間は、-40~125°Cの動作温度定格内で安定した動作をします。さらに、FA機器で定義されている実用域で安定した動作をします。

図 3. TLP5791H 伝搬遅延時間温度特性
図 3. TLP5791H 伝搬遅延時間温度特性
図 4. TLP5794H伝搬遅延時間温度特性
図 4. TLP5794H伝搬遅延時間温度特性

アプリケーション

  • PVインバーター
  • UPS
  • EVチャージャースタンド
  • インバータードライブ
  • IHクッキングヒーター
  • エアコン

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=-40~125°C)

品番 TLP5791H TLP5794H TLP5795H[注4]
パッケージ 名称 SO6L
寸法 (mm) Typ. 3.84×10×2.1
推奨動作条件 ピークハイレベル/ローレベル出力電流 IOLH/IOHL (A) Typ. -1.0/+1.0 -6.0/+4.0 -4.5/+5.3
電源電圧 VCC (V) 10~30 15~30 15~30
電気的特性 UVLO スレッショルド
VUVLO+ (V)
IF=5mA、
VO>2.5V
Max 9.5 13.5 13.5
UVLO スレッショルド
VUVLO- (V)
IF=5mA、
VO<2.5V
Min 7.5 9.5 11.1
UVLO ヒステリシス UVLOHYS (V)
- Typ. 0.5 1.5 1.0
スイッチング特性
伝搬遅延時間
(L/H) tpLH、(H/L) tpHL (ns)
VCC=30V Max 500 200 150
コモンモード過渡耐性 CMH、CML
(kV/μs)
Ta=25°C Min ±20 ±50 ±35
絶縁特性 絶縁耐圧 BVS (Vrms) Ta=25°C Min 5000
レール・トゥ・レール出力 - -
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[注4] 先行リリース品

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