絶対最大定格は、素子の寿命と信頼性を保証するために瞬時でも超えてはならない最大値です。主として電圧・電流・温度などに関して規定されています。
絶対最大定格の最大値は、素子を構成している材料・チップサイズ・パッケージ形状・設計・製造条件によって規制されます。データシートなどで最大定格と記載している場合、絶対最大定格と言う意味で用いています。
なお、各定格は特に記載のない場合、室温(25 °C)で規定しています。
最大定格の意義
ダイオードに流し得る電流、印加可能な逆電圧、損失などの最大許容値は最大定格値として定められています。
半導体素子による回路を設計する上で最大定格を認識することは、素子を有効に動作させ、また目標となる稼動時間に十分な信頼を確保する上からも、非常に大切なことです。
電圧定格
電流定格
温度定格
その他
ダイオードの技術資料の絶対最大定格の項目の一例を以下に示します。
項目 | 記号 | 定格 | 単位 |
---|---|---|---|
繰り返しピーク逆電圧 | VRRM | 400 | V |
平均順電流(注1) | IF(AV) | 0.4 | A |
非繰り返しピーク順電流(注2) | IFSM | 8 | A |
パルス順電流(注3) | IFP | 14 | A |
接合温度 | Tj | 150 | °C |
保存温度 | Tstg | -55 to 150 | °C |
注: 本製品の使用条件(使用温度/電流/電圧等)が絶対最大定格以内での使用においても、高負荷(高温および大電流/高電圧印加、多大な温度変化等)で連続して使用される場合は、信頼性が著しく低下するおそれがあります。
弊社半導体信頼性ハンドブック(取り扱い上のご注意とお願いおよびディレーティングの考え方と方法)および個別信頼性情報(信頼性試験レポート、推定故障率等)をご確認の上、適切な信頼設計をお願いします。
注1: Ta = 114 °C セラミック基板実装時
基盤サイズ: 50 mm × 50 mm, はんだランドサイズ: 2 mm × 2 mm, 基盤の厚さ: 0.64 mm
注2: f = 50 Hz, 正弦半波, 非繰り返し印加
注3: t = 1 ms, 短形波
*1: パッケージ全体がモールド樹脂で覆われた絶縁パッケージ
これ以外にも個々のダイオードで個別の最大定格を規定しています。詳しくは以下のアプリケーションノートをご覧ください。
製品ラインアップについては、以下のページ、ドキュメントをご参照ください。