LDOの出力電圧に、わずかにノイズが乗っています。ノイズを小さくするにはどうしたら良いですか?

ノイズに敏感なアナログ回路やICの電源にLDOを使用する際には、出力雑音電圧(VNO)が小さく、R.R.が大きいLDOを選択してください。LDOの出力に発生するノイズは大きく2つに分類することができます。1つは、LDO内部で発生する固有ノイズで、下記のようなものがあります。

  • 1/fノイズ
    フリッカーノイズ、ピンクノイズとも呼ばれ、半導体表面の欠陥などにより発生すると言われています。雑音のレベルは、周波数に反比例することから1/fノイズと呼ばれます。
  • ポップコーンノイズ
    バーストノイズとも呼ばれ、半導体の格子欠陥等により発生すると考えられています。オーディオのスピーカーに入ると、ポップコーンがはじけるような音がするノイズで、CMOSセンサーなど非常にノイズに敏感な用途では大きな影響を与えるノイズです。
  • ホワイトノイズ
    白色ノイズ、熱雑音とも呼ばれ、電子の熱運動により発生するノイズです。ホワイトノイズは、周波数には依存しません。雑音電圧は、(1)式で表されます。
ホワイトノイズの計算式
  • ショットノイズ
    キャリアが電位障壁を越えるときに、電流が連続ではなく、不連続に流れるために発生するノイズです。ホワイトノイズと同様に、周波数には依存しません。ショットノイズ電流は、(2)式で表されます。
ショットノイズの計算式
図1雑音指数と周波数特性のイメージ図
図1雑音指数と周波数特性のイメージ図

もう1つは、入力電圧(電源電圧)に重畳したリップル(ノイズ)がLDOの内部で圧縮されて出力に現れるリップルです。入力電圧に重畳されたリップルが、LDO内部でどれだけ圧縮されて出力されるか、圧縮度合を表した指標がリップル圧縮度(リップルリジェクション、R.R.または、PSRR)です。リップル圧縮度については、「よくあるお問い合わせ(FAQ)の「LDOでノイズの小さい電源を構成したいのですがどうしたらよいですか?」にも説明がありますので、ご参照ください。