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バススイッチとは、デジタル信号を伝送するために最適化された半導体のスイッチです。バススイッチの基本機能は機械スイッチと同じで、MOSFETを用いてオン/オフ機能を実現したものです。(図-1)
バススイッチには駆動能力を増強するバッファー機能はありません。高速デジタル信号の伝送に使用されることを意図して設計しており、信号のON/OFFや出力ポートの切り替えなどに用います。
当社ではSPSTの単純なスイッチだけでなく、マルチプレクサータイプ(SPDT、SP4T)のスイッチを提供しています。
半導体を利用したスイッチには、信号系のスイッチと電源をオンオフするロードスイッチ(ロードスイッチIC)があります。
ここでは信号系のスイッチについて述べます。
信号系のスイッチにはデジタル信号を扱うスイッチとアナログ信号を扱うスイッチがあります。
バススイッチはデジタル信号を伝送するために開発されました。デジタル信号は論理状態(“H” “L”電圧レベル含む)が遅延が無く(少なく)伝送されることが必要です。これに対し、アナログスイッチでは信号のリニアリティーが求められます。
つまり、バススイッチは低容量でオン抵抗が低いことが必要で、アナログスイッチでは、信号を伝送する電圧範囲でオン抵抗が低く一定であることが必要です。
一般にスイッチに用いるMOSFETのオン抵抗は、図-2、図-3に示すようにP-ch/N-chとも制御電圧とスイッチを通過する電圧の依存性があります。この電圧依存性を補うために、アナログスイッチではP-chとN-ch MOSFETを図-4のように並列に接続します。このことにより使用電圧範囲ではフラットなオン抵抗を実現できますが、スイッチの容量は大きくなります。
バススイッチでは図―5のようにP-ch MOSFET(またはN-ch MOSFET)単体でスイッチを構成しているものが多いです。抵抗値は電圧依存性を持ちますがデジタル信号を伝送するのに十分低い値となっています。高速のデジタル信号伝送に最適なデバイスとなっています。アナログ信号の伝送にはアナログ特性を規定したアナログスイッチを使用ください。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。