npnトランジスター/pnpトランジスターの動作は?

npnトランジスター動作イメージ
npnトランジスター動作イメージ

バイポーラートランジスター(BJT)は非常に薄いベース層を挟んで、コレクターとエミッターがPN接合される形で配置されています。また高い電流増幅率を得るため、エミッターはベースに対し桁違いに高い濃度となっています。このようにPN接合ダイオードを2つ組み合わせた形となっています。

規定の電圧を各端子に加えた状態で、ベース電流を流すとコレクターに電流増幅率倍の電流が流れるデバイスです。

npnの場合、エミッターに対しコレクターには高い電位が、ベースはエミッターに対し0.7V程度高い電圧が印加されている状態を考えます。ベースとエミッターは順方向にバイアスされており、ベースコレクターは逆バイアスの状態になっています。

まず、ベース・エミッター間に電圧を印加することでベースに小さな電流が流れ、P型のベース層にホールが注入されます。このホールに対し順バイアスされたベース・エミッター接合部を横切った形でエミッターから電子をひきつけます。エミッターは非常に高濃度なので必要以上の電子がベースに流入し一部は注入されたホールと結合します。残りのほとんどは非常に薄いベース層を突き抜け、コレクター電流となります。

pnpの場合も同様に考えます。エミッターに対してコレクターには低い電位が、ベースはエミッターに対し0.7V程度低い電位が印加されている状態を考えます。n型のベースに電子が注入され、エミッターからホールをひきつけます。このホールの一部はベースに注入された電子と再結合しますが、残りはベースを突き抜けコレクターに到達します。