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バイポーラートランジスタ(BJT)は非常に薄いベース層を挟んで、コレクターとベース、ベースとエミッターがPN接合される形で配置されています。高い電流増幅率を得るため、エミッターはベースに対し桁違いに高い濃度となっています。エミッターとベース間に順方向電圧VBEを印加する(順方向にベース電流を流す)ことでベース・エミッター間のPN接合がオンします。エミッターからベースに流れ込むキャリア(エミッター電流)は、ベース電流によって決まるBE間の電圧でBE間のエネルギー障壁が上下しコントロールされます。
エミッターの不純物濃度は高く流れ込むキャリアは多量です。更にベース厚が薄いことからほとんど再結合することなくコレクターに流れ込みます。このためBJTはベース電流を増幅する素子として動作します。
npnトランジスターの場合、エミッターに対しコレクターには高い電位電圧が、ベースはエミッターに対し0.7 V程度高い電圧が印加されている状態を考えます。ベースとエミッターは順方向にバイアスされており、ベースとコレクターは逆バイアスの状態になっています。
まず、ベース・エミッター間に電圧を印加することでベースに小さな電流が流れ、P型のベース層にホールが注入されます。このことによりベース・エミッター間のエネルギー障壁が下がり、エミッターの自由電子の一部がベースに拡散します。不純物濃度の違いからベースにあるホールは拡散してきた電子に対し少数です。また、ベースは非常に薄くなっています。電子の数量が多量であること、ベースに存在している時間が短いことから、拡散してきた電子のほとんどは再結合することなくベース・コレクター接合面に到達しコレクターに流入します。これがコレクター電流となります。
電流増幅率 hFEは主にベース・エミッター間の不純物濃度差とベースの厚みによって決まります。BJTはコレクター電流をベース電流によってコントロールできるデバイスです。
pnpの場合も同様に考えます。エミッターに対してコレクターには低い電位が、ベースはエミッターに対し0.7 V程度低い電位が印加されている状態を考えます。n型のベースに電子が注入され、エネルギー障壁が下がりエミッターエミッターからホールが拡散します。このホールの一部はベースに注入された電子と再結合しますが、残りはベースを突き抜けコレクターに到達します。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。