第3世代SiCショットキーバリアダイオード (SBD) は、650V耐圧の製品 (TO-220-2Lパッケージ製品7品種およびDFN8×8パッケージ製品5品種) と、1200V耐圧の製品 (TO-247-2Lパッケージ製品5品種およびTO-247パッケージ製品5品種) をラインアップしています。
新規のショットキーメタル[注1]を採用し、第2世代製品 (650V耐圧) のジャンクションバリアショットキー (JBS) [注2]構造を最適化し、650V耐圧品及び1200V耐圧品に展開した3世代ディスクリートSiC SBDは以下のような特長を有し、スイッチング電源を中心に、様々な機器の低消費電力化、高出力化に貢献します。
新規のショットキーメタル採用により、順方向電圧 (VF) と総電荷量 (QC) のトレードオフを改善し、導通損失とスイッチング損失のトレードオフを大幅に低減しました。以下に、650V耐圧当社第3世代製品、第2世代の該当製品、及び他社同定格相当品 [注3]の代表サンプルによる比較結果と、1200V耐圧当社第3世代製品と他社同定格相当品[注4]を示します。
JBS構造の最適化により、高い非繰り返しピーク順電流 (IFSM) を実現しました。
JBS構造の採用により、低い順電圧ながら、低い逆電流特性 (IR) を実現しました。
第3世代製品は当社ブーストPFC試験回路での800W出力条件において、第2世代製品に対し約0.1 %の変換効率改善を実現しています。
(2021年11月当社調べ)
[注1] ショットキーバリアダイオードで、半導体と接合される金属のことです。
[注2] JBS: 半導体表面のn層にp層を埋め込んだ構造です。逆バイアスが印加された場合、このn層とp層の間の空乏層が広がることにより、逆電流 (IR) を抑える事が可能となります。
[注3] 2023年6月現在。
[注4] 2024年9月現在。
[注5] VF × QC: 順電圧と総電荷量の積は、SiC SBDの損失性能を表す指数であり、同一電流定格製品で比較した場合、小さいほど低損失化を実現できます。
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