第3世代SiCショットキーバリアダイオード (SBD) は、650 V耐圧の製品 (TO-220-2Lパッケージ製品7品種およびDFN8×8パッケージ製品5品種) をラインアップしています。
新規のショットキーメタル [注1] を採用し、第2世代製品のジャンクションバリアショットキー (JBS) [注2] 構造を最適化した第3世代SiC SBDチップを搭載しています。これにより、業界トップクラス [注3] の低い順方向電圧1.2 V (Typ.) を実現し、第2世代製品の順方向電圧1.45 V (Typ.) と比べて約17 %低減しました。
順方向電圧の低減など、第3世代ディスクリートSiC SBDは以下のような特長を有し、スイッチング電源を中心に、様々な機器の低消費電力化、高出力化に貢献します。
新規のショットキーメタル採用により、順方向電圧 (VF) と総電荷量 (QC) のトレードオフを改善し、導通損失とスイッチング損失のトレードオフを大幅に低減しました。以下に、TO-220-2L、650 V、10 A定格製品の当社第3世代製品、第2世代の該当製品、及び他社最新世代品 [注3] の代表サンプルによる比較結果を示します。
測定条件
QC: VR = 400 V、f = 1 MHz、Ta = 25 ℃
(2023年6月当社調べ)
JBS構造の最適化により、高い非繰り返しピーク順電流 (IFSM) を実現しました。
測定条件
IFSM: f = 50 Hz (正弦半波、t = 10 ms) 、Tc = 25 ℃
(2023年6月当社調べ)
JBS構造の採用により、第2世代製品に対して低い順電圧ながら、第2世代製品と同等レベルの低い逆電流 (IR) 特性を実現しました。
測定条件
IR: VR = 650 V、Ta = 25 ℃
(2023年6月当社調べ)
第3世代製品は当社ブーストPFC試験回路での800 W出力条件において、第2世代製品に対し約0.1 %の変換効率改善を実現しています。
(2021年11月当社調べ)
[注1] ショットキーバリアダイオードで、半導体と接合される金属のことです。
[注2] JBS: 半導体表面のn層にp層を埋め込んだ構造です。逆バイアスが印加された場合、このn層とp層の間の空乏層が広がることにより、逆電流 (IR) を抑える事が可能となります。
[注3] 2023年6月現在。
[注4] VF × QC: 順電圧と総電荷量の積は、SiC SBDの損失性能を表す指数であり、同一電流定格製品で比較した場合、小さいほど低損失化を実現できます。
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