低電圧駆動、高温動作定格を実現した小型フォトリレー

半導体テスターの高機能化、産業機器の小型化に貢献
これは、低電圧駆動、高温動作定格を実現した小型フォトリレーの画像です。

当社は、半導体テスター向け低電圧駆動フォトリレー「TLP3412SRLA」を製品化しました。
半導体テスター (ATE : Automated Test Equipment) は、システムLSIや半導体メモリーなどの被測定デバイス (DUT : Device Under Test) の指定されたピンに電圧や電流を印加して、DUTが正しい動作をしていることを検査します。DUTの指定されたピンの経路切り替えにソリッドステートリレーの一種であるフォトリレー (MOSFET出力) が多数使われています。
フォトリレーでは出力側MOSFETオン・オフのためにLEDを用いますが、本製品では外部から電圧駆動を可能とするため抵抗を内蔵しています。さらにその最大動作電圧は当社ラインアップで最も小さい、1.6 Vを実現しました。低電圧化が進む1.8 V系FPGA (Field Programmable Gate Array) による制御が可能となりました。
また、半導体テストシステムの一種であるプローバー (プローブカード) と呼ばれる応用では、高温下で半導体チップの特性検査を行う場合があります。この場合、DUT直近に配置されるフォトリレーも高温にさらされることから、フォトリレーの高温動作対応が求められます。本製品は最大動作温度定格を125 °Cとしており、機器の温度マージン確保に貢献できます。
ATEでは、限られた時間でより多くのDUTを検査しなければなりません。そのため1台のATEで複数のDUTを処理することになりますが、経路切り替えのためのフォトリレーもDUT数、測定ピン数に応じて限られたスペースに多く実装しなければなりません。そのためATE応用では小型パッケージのフォトリレーの採用がポイントです。本製品は当社オリジナルの小型パッケージS-VSON4Tを採用することで高密度な実装を実現できます。
また、小型・高温動作という特長から、ATE応用に限らずPLC (Programmable Logic Controller) をはじめとした産業機器など、幅広くお使いいただける半導体スイッチです。

図 1. 半導体テスター(ATE)全体図
図 1. 半導体テスター(ATE)全体図

製品の特長

  1. 1.8 V系FPGAに対応可能な低い動作電圧
  2. 機器の温度マージンの確保がしやすい高い動作温度定格
  3. 高密度実装に対応した小型パッケージS-VSON4T

1. 1.8 V系FPGAに対応可能な低い動作電圧

図 2. LED側に抵抗を内蔵
図 2. LED側に抵抗を内蔵

フォトリレーの入力側となるLEDは電流駆動型素子です。そのため、一般的にはLED端子に外付けで電流制限抵抗を接続して使用しなければなりません。一方で、駆動する側からみると電圧で直接駆動できたほうが望ましく、本製品では図2のようにLED側に抵抗を内蔵しています。そのため外付け抵抗のスペースを確保する必要なく電圧制御が可能となり、FPGAなどのICによる駆動も容易です。FPGAはプロセスの進化に伴いコア電圧も低下していますが図3のようにそのトレンドに対応するため、本製品では当社電圧駆動型フォトリレーの中で最も小さい、最大動作電圧VFON 1.6 V としました。これにより、1.8 V系FPGAの適用が可能です。

図 3. FPGAの進化 (低電圧化)
図 3. FPGAの進化 (低電圧化)

2. 機器の温度マージンの確保がしやすい高い動作温度定格

半導体テスターの一種であるプローバーではDUTを高温状態で試験する場合があります。その際、フォトリレーは高温チャンバーの近くに配置されるため高温動作に対応したフォトリレーを使用しなければなりません。本製品は最大動作温度定格125 °Cとしており、このような高温プローバーといった温度環境の厳しい応用にもお使いいただけます。

3. 高密度実装に対応した小型パッケージS-VSON4T

図 4. テストヘッド詳細
図 4. テストヘッド詳細

図4 のようにテストヘッドはデバイスパワーサプライ(DPS)とピンエレクトロニクス(PE)の大きく2つのエリアがあります。ATEでは多数のDUTを一度に測定するために、リレーで電源や信号を切り替えることを行います。テスターの高速処理化などの技術革新は目まぐるしく、一方で低コスト化や高信頼性にも対応しなければならない半導体テスターではテストボードの高密度化は避けられない状況です。従来のメカニカルリレー(メカリレー)ではこれらの要求に対応することができず、半導体リレー(フォトリレー)がとって代わっており、限られた基板スペースに多くのフォトリレーが実装されています。新製品TLP3412SRLAは実装集積密度向上に貢献できる小型パッケージS-VSON4T (1.45 mm×2.0 mm (typ.)、t=1.4 mm (max))を採用しています。

応用機器

PLCアナログインターフェースの応用例
PLCアナログインターフェースの応用例
  • 半導体テスター (メモリー、システムLSIなど)
  • プローブカード
  • 各種計測機器
  • 産業用機器

* 例えばPLC (Programmable Logic Controller) のような、小さな筐体に多数のインターフェースを持つような応用にも最適です。

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=25°C)

品番

TLP3412SRLA

データシート

PDF: 536KB

パッケージ

当社名称

S-VSON4T

サイズ  (mm)

1.45×2.0 (typ.)、
t=1.4 (max)

接点方式

1a

(ノーマリーオープン)

絶対最大定格

阻止電圧  VOFF  (V)

60

オン電流  ION  (mA)

400

オン電流 (パルス)  IONP  (mA)

1200

動作温度  Topr  (°C)

-40~125

結合特性

動作電圧  VFON  (V)

Max

1.6

オン抵抗  RON  (Ω)

Typ.

1

Max

1.5

電気的特性

端子間容量 (出力側)  COFF  (pF)

Typ.

17

スイッチング特性

ターンオン時間  tON  (μs)

RL=200 Ω、

VDD=20 V、

VIN=1.8 V

Max

350

ターンオフ時間  tOFF  (μs)

150

絶縁特性

絶縁耐圧  BVS  (Vrms)

Min

500

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