DTMOSシリーズは高耐圧でありながら、ドリフト層の抵抗を低減できるスーパージャンクション構造を有しており、当社では第4世代であるDTMOSⅣシリーズより、シングルエピプロセスを採用し、更なる低オン抵抗と高速スイッチングの両立を実現しております。最新世代品であるDTMOSⅥシリーズは、従来製品のDTMOSⅣ-Hシリーズと比較し、性能指数であるドレイン・ソース間オン抵抗×ゲート・ドレイン間電荷量 (RDS(ON)×Qgd) の低減を実現し、スイッチング電源の高効率化に貢献できる製品群です。
MOSFETのドレイン・ソース間オン抵抗×ゲート・ドレイン間電荷量 (RDS(ON)×Qgd)はその値が小さいほど、MOSFETが低導通損失及び低スイッチング損失を実現できるという性能指標であり、DTMOSⅥシリーズではゲートデザインおよびプロセスの最適化により、従来製品のDTMOSⅣ-Hシリーズと比較し、RDS(ON)×Qgdを約40%の低減を実現しております。また競合他社の同等定格・特性品との比較においても約30%の低減を実現しており、スイッチング電源の高効率化に貢献します。
MOSFETの性能指数であるドレイン・ソース間オン抵抗×ゲート・ドレイン間電荷量 (RDS(ON)×Qgd) の低減を実現したことにより、最大出力2.5kWのPFC回路評価基板での効率評価にて従来製品のDTMOSⅥシリーズに比べ、全出力電力領域で電力変換効率を改善しており、特に2.5kW出力時に0.36%改善、損失にして約10Wの低減を実現しています。サーバーや通信機器といった産業機器用スイッチング電源で求められる高効率に貢献します。
最大出力1.6kWのサーバー用AC-DC電源のPFC部においてDTMOSⅥ、当社従来品および競合他社品との電力変換効率の比較評価を行った結果を下グラフに示します。当社DTMOSⅥシリーズは、AC230V、AC180Vいずれの入力条件においても50%負荷条件で約95%を実現しています。また従来品および競合他社品と比較して全出力電力領域において同等以上の効率を実現しており、サーバーなどの高効率が要求されるスイッチング電源に最適です。
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