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ダイオード

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  • ダイオードとは何ですか?

    ダイオードとは、1つのPN接合もしくはこれに代わる接合を持つ半導体デバイスです。

  • ダイオードにはどのような種類がありますか?

    ダイオードは構造によりPN接合ダイオードとショットキバリアダイオード(SBD)として知られる金属・半導体接合ダイオードに分けられます。また、その用途により一般用(整流ダイオード・スイッチングダイオード)、高速用(SBD・FRD・HED)、及び特定用途(定電圧ダイオード、可変容量ダイオード、PINダイオード)の3つに大別されます。

  • ダイオードはどのような働きをしますか?

    ダイオードにはアノード(陽極)とカソード(陰極)の2つの端子があります。この2端子に印加される電圧の方向により電流が流れたり流れなかったりします。この動作を整流作用といい、ダイオードの基本的な動作の一つとなります。(アノードからカソードへは電流を流すことができ(順方向)、カソードからアノードへは電流を流すことができません(逆方向)。)

  • アノード、カソード端子の見分け方を教えてください。

    2端子品の場合、カソード電極側にレーザなどでマークしてあります。

    3端子以上の端子がある場合、個別技術資料にカソードの端子が明記されています。


    [図:ダイオードの記号]


    [図:現品表示の例]

    ※イジェクタピンの跡で、製造の都合上、発生するくぼみです。カソードマークおよび電気的特性に関係はありませんので、ご注意をお願い致します。

  • 整流ダイオードと一般スイッチングダイオードの違いは?

    整流ダイオードは順方向電流が0.5A以上のダイオードで直流から商用ACラインの整流向けの製品です。

  • 電気的特性の見方

    電気的特性(Ta = 25℃)
    項目 記号 測定条件 最小 標準 最大 単位
    順電圧 VF(1) IF = 1 mA 0.61 V
    VF(2) IF = 10 mA 0.74
    VF(3) IF = 100 mA 0.92 1.20
    逆電流 IR(1) VR = 30 V 0.1 µA
    IR(2) VR = 80 V 0.5
    端子間容量 CT VR = 0, f = 1 MHz 2.2 4.0 pF
    逆回復時間 trr IF = 10 mA 1.6 4.0 ns

    順方向電流IFは次式で表されます。

    IF = IS (exp (qVF/KT) − 1)
    IS: 逆方向飽和電流
    T: 絶対温度
    VF: 順方向電圧
    K: ボルツマン定数
    q: 電子の電荷量
    但し、上式は小電流領域におけるものとなります。

    ダイオードの逆方向に電圧を印加したとき、流れる電流を逆方向電流IRまたは飽和電流ISと呼びます。
    一般にSiダイオードは飽和領域において数nA (10−9 A) の値を示します。8~10°C の温度変化でIRは約2倍変化します。

    電気的特性を説明したグラフです。

    端子間容量をCTとして表します。この容量は主にPN接合ダイオードを逆バイアスした時の空乏層によります。空乏層はこの逆バイアス電圧VRにより変化します。以下に変化のイメージを示します。逆電圧が高くなると容量は減少します。この容量は一般的に接合面積・不純物濃度により容量値・変化の度合いが大きく変わります。

    ダイオードに順電流IFを流しているときこれに逆方向電圧VRを印加してしゃ断させようとしてもP接合に蓄積している少数キャリヤが残っている間は逆方向も低インピーダンスとなり大きな逆電流IRが流れます。このしゃ断時から逆電流IR値の10%まで回復するまでの時間を逆回復時間trrといいダイオードのスイッチング時間を表します。測定回路例を以下に示します。

  • 絶対最大定格について

    絶対最大定格(Ta = 25℃)
    項目 記号 定格 単位
    1. せん頭逆電圧 VRM 420 V
    2. 逆電圧 VR 400 V
    3. せん頭順電流 IFM 300 mA
    4. 平均整流電流 IO 100 mA
    5. サージ電流(10ms) IFSM 2 A
    6. 許容損失 P 100 mW
    7. 接合温度 Tj 125
    8. 保存温度 Tstg -55~125
    用語の説明
    1. せん頭逆電圧VRM:カソード-アノード間に印加できる最大ピーク電圧です。
    2. 逆電圧VR:カソード-アノード間に印加できる直流最大電圧です。
    3. せん頭順電流IFM:アノードからカソードへ流せる最大ピーク電流です。
    4. 平均整流電流Io:アノードからカソードへ流せる平均最大電流です。
    5. サージ電流IFSM:瞬時に流すことが出来る最大サージ電流です(通常印加時間が規定されています)
    6. 許容損失:許容される最大損失で、周囲温度が上がると減少します。
    7. 接合温度:許容される最大接合部温度で順方向、逆方向印加時に発生する損失により増減します。
    8. 保存温度:非動作時状態における許容される保存温度範囲です。

  • 温度に対する注意点は?

    半導体は全般に周囲温度、動作温度により特性が変化します。スイッチングダイオードも同様に特性が変化します。特に順方向電圧VFは温度が上昇すると小さくなります。また、逆方向もれ電流IRは温度が上昇すると大きくなります。

     

    順方向電圧VFと逆電流IRの温度特性例です。

  • 同一品名のダイオードを並列接続で使用可能でしょうか?

    同一品名のダイオードでも若干順方向電圧のバラツキがあり、並列接続の場合、どちらかのダイオードに電流集中が起きる可能性がありますので推奨できません。ご使用電流が高く定格上問題が発生しそうな状況では、定格電流の大きなダイオードをご使用ください。

  • ショットキバリアダイオード(SBD)とは何ですか?

    ショットキバリアダイオード(SBD)は、PN接合の代わりに半導体とモリブデンなどの金属を接合した構造の素子です。 順方向電圧が小さく逆回復時間が短いことから高速スイッチング動作に適しています。

  • ショットキバリアダイオード(SBD)の特性にどのような特徴がありますか?

    一般の整流ダイオード等のPN接合ダイオードに比較して順方向電圧が小さくなりますが、逆電流(漏れ電流)が大きくなります。 順方向電圧と逆電流にはトレードオフがあります。東芝ではこのトレードオフの改善を進めています。

  • ショットキバリアダイオード(SBD)の順電圧(VF)はどれくらいですか?

    使用される金属により変わってきますが、定格のVFは0.4~0.7V程度とPN接合ダイオードより低VFの特性となっています。 ただし、耐圧は20~150V程度とPN接合ダイオードと比較すると高い製品はありません。

  • ショットキバリアダイオード(SBD)に逆回復特性(trr)はありますか?

    SBDは原理的にtrrは存在しませんが、接合容量(端子間容量)と外部配線のインダクタンスで構成されるLC共振回路により同様の現象が発生します。しかしながら、一般のPN接合ダイオードと比較するとこの値は小さいものになります。

  • FRDとは?

    Fast Recovery Diodeの略です。 逆回復時間trrが一般ダイオードに比べ高速スイッチング、損失で優れています。

  • FRDはどのような製品に使用されていますか?

    スイッチング電源全般、インバータ応用機器およびDC/DCコンバータ等に使用されています。

  • FRDが使用される動作周波数はいくらですか?

    一般用整流ダイオードが、500Hz以下の低周波応用に使用されるのに対し、FRDは数kHz~100 kHzの高周波のスイッチングに使用されます。

  • 逆回復時間trrとは何ですか?

    印加電圧を順方向から逆方向に変化させた時にすぐにOFF状態に遷移せずOFF状態になるまでにデバイス毎に固有の時間が必要になります。この時間を逆回復時間(trr)と呼びます。この時間を短縮するように設計されたデバイスにFRDやHEDがあります。

    ダイオードスイッチング波形例のグラフです。

  • FRDのtrrはどのくらいですか?

    一般の整流ダイオードのtrrが数μs~数十μsに対し、FRDは数十ns~数百nsと1/100程度となっています。

  • trrが大きいとどうなりますか?

    trrが大きいとスイッチング時に損失(逆回復損失)が大きくなります。スイッチング周波数が低いと無視できますが、周波数とともに増加し数kHz以上になると全体の損失の主要な要因の一つとなります。

  • HEDとは?

    High Efficiency Diodeの略です。
    順方向電圧降下VFの低減と逆回復時間trrの高速化により動作時の損失を最小にする様に設計しております。

  • スイッチングダイオードとは?

    小信号レベル(~100mA)のスイッチング(一種の整流)に適したダイオードです。ACラインの整流(交流から直流)には整流ダイオードがあります。ダイオードに印加される電圧も数10V以下と低く、小型、面実装品が主流となっています。

  • スイッチングダイオード使用時の注意点は?

    元々小信号レベル向けで設計されていますので高電力を扱う箇所には適していません。ご使用の最大印加電圧、電流にマージンを加えられ余裕のあるデバイスの選択をお願いします。スイッチングダイオードの場合、目安として電流で数10mA以下、電圧で50V以下での使用をお勧めします。

  • ツェナーダイオードとは?

    ツェナーダイオードは通常のダイオードの使い方とは異なりカソード電極に正(+)電位をアノードに負(-)電位をかける使い方です。規定のツェナー電圧を超えるとツェナー電流が流れます。

     

    ツエナーダイオードと一般ダイオードの違いを説明した図です。

  • ツェナー電圧の特性は?

    下図のグラフを参照してください。

    ツエナー電圧のVz特性を示した図です。

  • ツェナーダイオードの使い方を教えてください

    1. 定電圧ダイオードとしての使い方
      ダイオードに流れるツェナー電流が変化してもツェナーダイオード両端のツェナー電圧が変化しない特性を利用し、定電圧デバイスとして使用します。
    2. 電圧検出デバイスとしての使い方
      規定のツェナー電圧を超えるとツェナー電流Izが流れる現象を利用します。
      この電流を何かで検出すれば電圧検出デバイスとして使えます。
    3. 1と2の全ての領域を使用し電圧クリップデバイスとして使用します。
      静電気など異常ノイズをクリップする場合有効です。

    ツエナーダイオードの特性を示した図です。

  • ツェナーダイオードはどのような回路に用いられますか?

    定電圧電源部や基準電圧を必要とする箇所に用いられます。最近ではESD保護素子として使用される事も多くなっています。
    東芝ではこの用途に合わせ込んだTVSダイオード(ESD保護ダイオード)を製品化しています。

  • ツェナーダイオードを一般ダイオードとして使用できますか?

    順方向は一般ダイオード同じ特性を示しますが特性保証はしていません。
    順方向を使用の場合は一般ダイオードをご使用ください。

    ツエナーダイオードの特性を示した図です。

  • ツエナーダイオードの並列接続について

    ツェナーダイオードの許容損失を上げる(増加する)ために並列接続は出来ません。
    並列接続の場合どちらかのツェナー電圧が低い方にツェナー電流が集中、許容損失を超える場合があります。

     

    ツエナーダイオードを並列に接続した場合の図です。

  • ツェナーダイオードの直列接続について

    ツェナーダイオードを直列接続し所望のツェナー電圧を得ることはできますが、この場合流すツェナー電流Izの値には注意が必要です。接続するツェナーダイオードの許容電流の小さい方が全体の最大許容電流値になります。許容損失の小さい方の範囲内でご使用ください。

    また、ツェナー電圧規定のツェナー電流がそれぞれのダイオードで異なる場合は、どちらか一方のツェナーダイオードが規定のツェナー電流値にならないため、所望のツェナー電圧と異なる電圧値になりますのでご注意ください。 

    ツエナーダイオードを直列に接続した場合の図です。

  • ツェナーダイオードの温度係数は?

    ツェナーダイオードの温度係数は5V以上は正特性で温度が上昇するとツェナー電圧が増加します。5V以下では負特性で温度が上昇するとツェナー電圧が減少します。

    ツエナー電圧と温度係数を示したグラフです。

  • ツエナーダイオードの動作抵抗(インピーダンス)とは?

    ツェナーダイオード動作時の等価直列抵抗です。下図の様に微小ツェナー電流ΔIz変化させた時の微小ツェナー電圧ΔVzにより求められます。理想は0ですが現実にはある値が存在するためツェナーダイオードとして使用出来る範囲があります。

    ツエナーダイオードの動作抵抗を示したグラフです。

    ツエナー電流と動作インピーダンスを示したグラフです。

  • 温度変化、電源変化に強いツェナーダイオードを使用した簡易電位の作り方は?

    ツェナーダイオードの温度係数がほぼ0になる5V付近のデバイスと定電流電源の組み合わせで温度、電源変動に強い簡易電位を作ることができます。

    簡易電位の作り方の例を示した図です。

  • TVSダイオード(ESD保護ダイオード)とは何ですか?

    ツェナーダイオードの一種で、主に静電気(ESD)対策用途に使用されるダイオードです。一般的にUSBライン等から入るESDの大きな電圧から集積回路を保護する目的に使用されます。ツェナーダイオードから派生した製品ですが信号に影響を与えないように端子間容量(Ct)の低減、保護性能向上の為に抵抗成分(Rdyn)の低減を図っています。最近では正負双方向のESDに対応した製品が主流になっています。

  • TVSダイオード(ESD保護ダイオード)はなぜ必要なのですか?

    電子機器に使用される半導体デバイスは高性能化・高集積化の為、その製造プロセスを微細化し、小型化を図っています。一般に微細化を進めると静電気(ESD)に弱くなる傾向があります。また、USB等を利用して機器相互の接続をすることが多くなり、接続時にESDが機器に印加される事が多くなってきました。このような事からESD保護が重要となってきています。

  • 可変容量ダイオード(バリキャップダイオード)とは何ですか?

    可変容量ダイオードは、電圧を逆方向に印加した場合にダイオードのPN接合に発生する空乏層の容量特性を活用した製品です。 空乏層は、コンデンサの電極間ギャップとして働きます。印加電圧により空乏層が変化することから容量が変化します。

  • 可変容量ダイオードの特性で重要なものは何ですか?

    規定バイアス印加時の容量の大きさ(例えば VR=3Vの時のC3V)、電圧を変化させた時の容量変化(容量比)、発振器やフィルタに使用される時にはQ値に影響を与える直列抵抗(Rs)等が重要となります。

  • 小型パッケージ小信号素子のジャンクション(チャネル)-ケース間熱抵抗は?

    小信号素子の自己発熱量が小さいことと、小型パッケージの表面温度が精度よく測定できないため小型パッケージ小信号素子のジャンクション-ケース間熱抵抗Rth(j-c)、チャネル-ケース間熱抵抗Rth(ch-c) は提供しておりません。 放熱設計におきましてはジャンクション-周囲間熱抵抗Rth(j-a)、チャネル-周囲間熱抵抗Rth(ch-a)にて計算して下さい。

  • 小信号ダイオードのジャンクション-周囲間熱抵抗Rth(j-a)は?

    許容損失からジャンクション-周囲間熱抵抗Rth(j-a)を算出できることができます。

     

    計算式 : Rth(j-a) = (Tj Max - Ta) / P Max

     

    • Rth(j-a): ジャンクション-周囲間熱抵抗
    • Tj Max: 最大ジャンクション温度
    • Ta: 周囲温度 (P Maxの測定温度条件)
    • P Max: 最大許容損失

·設計および使用に際しては、本製品に関する最新の情報および本製品が使用される機器の取扱説明書などをご確認の上、これに従ってください。