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ダイオードとは、1つのPN接合、またはこれに代わる1つの金属・半導体接合などを持つ半導体デバイスです。アノードとカソードと呼ばれる2つの端子を持ちます。
アノードとカソード間に印加される電圧の方向により電流が流れる(順方向)、電流を流さない(逆方向)というスイッチのような性質を持っています。この作用を整流と呼びます。
半導体は金属のように電気を良く通す“導体”とガラスやゴムのように電気をほとんど通さない絶縁体の中間に位置する物質で、シリコンやゲルマニウムなどになります。(半導体について詳しくは e-learning “ディスクリート半導体の基礎”をご覧ください)
この半導体をダイオードとして使用する場合、半導体にホウ素 B などの不純物を添加し正(Positive)なホールが多数キャリアーとして存在するp型半導体と不純物としてヒ素 As などを添加し負(Negative)な電子が多数キャリアーとして存在するn型半導体を形成します。このp型半導体とn型半導体を接合するとpn接合ダイオードとなります。通常、pn接合はn型とp型の半導体を別々に作成して貼り合わせて作成するのではなく、例えばn型(またはp型)の半導体にp型(またはn型)の不純物をドーピング(高エネルギーで加速し打ち込む)してpn接合を形成します。
このように形成したpn接合に端子を付けたものをダイオードと呼びます。p型半導体につけた端子をアノード、n型半導体につけた端子をカソードと呼びます。(図-1)
ダイオードはアノードに正、カソードに負の電圧(順バイアス)を印加したときしか電流を流しません。(図-2)この作用を整流と言います。
逆方向に電圧(逆バイアス)を印加しても電流を流しませんが、逆バイアス電圧を大きくしていくとある電圧で急激に電流が流れます。この電圧を降伏電圧(ブレークダウン電圧 VBR)と呼びます。降伏した状態では電圧の微小な変化で電流が大きく変わります(電流の変化に対し電圧の変化が少ない)。この定電圧特性を利用した製品がツェナーダイオードやTVSダイオード(ESD保護用ダイオード)になります。
pn接合ダイオードのIF-VFカーブを図-3に示します。
また、ダイオードには、p型またはn型半導体の代わりに金属を使用するタイプのものがあります。 金属とp型(またはn型)半導体の仕事関数の違いにより、組み合わせによっては金属と半導体の接合がpn接合のような整流特性を示すショットキー接合になることがあります。この組み合わせを利用したダイオードをショットキーバリアダイオードと呼びます。このダイオードは順方向電圧が低い特徴があります。
製品ラインアップについては、以下のページ、ドキュメントをご参照ください。