1-4.システムから求められるLDOレギュレーターの必要性

現在の電子機器は高機能・小型化・回路規模の増加・高効率化が進み、内部の回路やそれに使用されるICも低電圧化が進んでいます。また、センサーや高精度のアナログ回路ではノイズの影響を受けないように低ノイズの回路設計が必要となっています。
従来は基板に電源回路やPMIC (注1) などの電源ICを配置して、そこから各回路ブロックやICに必要な電源電圧を供給するレイアウトが多くありましたが、配線長が長くなることから配線抵抗による電圧降下や配線間のクロストークによるノイズの影響を受けやすいなどの問題がありました。これらの問題を解決するため、回路ブロックやICなどの負荷の直近に電源を分散配置するPOL (注2) 電源が多く採用されるようになっています。

注1: Power Management IC (システム内の複数の電源系統を管理する電源IC)

注2: Point of Load

図1.4 回路基板イメージ

1章 LDOとは

1-1.電源ICの種類
1-2.リニアーレギュレーターとスイッチングレギュレーターのメリットとデメリット
1-3.LDOレギュレーターとは?
1-5.リニアーレギュレーターとは?
1-6.リニアーレギュレーターとスイッチングレギュレーターの動作
1-7.シリーズレギュレーターの動作原理
1-8.シリーズレギュレーターの回路構成
1-9.3端子レギュレーター (標準レギュレーター、ボルテージレギュレーター) とLDOレギュレーターとの違い

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