1-8.シリーズレギュレーターの回路構成

シリーズレギュレーターの基本的な構成は、下記のような四つの回路ブロックで構成されます。

出力段トランジスター
シリーズレギュレーターの入力端子と出力端子に直列に配置された出力段トランジスターは、入力電圧や出力電流が変動してエラーアンプからの信号でゲート電圧やベース電流を制御して出力電圧を一定に保持するように可変抵抗のように動作します。

基準電圧
エラーアンプの基準電圧です。この電圧を基準にエラーアンプは出力電圧を一定に保持するように出力段トランジスターのゲートやベースを制御します。

帰還抵抗
エラーアンプの基準電圧と出力電圧を比較して出力電圧を一定に保持できるように、エラーアンプの基準電圧相当に出力電圧を分圧するための抵抗です。出力端子とGND端子の間に二つの抵抗の直列に接続され、この中点電圧がエラーアンプに入力されます。

エラーアンプ (誤差増幅器)
基準電圧と帰還抵抗により分圧された出力電圧を比較して、出力電圧側が小さいときには出力段トランジスターの駆動能力を増加させドレイン・ソース間電圧を減少して出力電圧を上昇させます。
反対に、出力電圧側が大きいときには、出力段トランジスターの駆動能力を減少させドレイン・ソース間電圧を増加して出力電圧を低下させます。

図1.8 シリーズレギュレーターの回路構成

1章 LDOとは

1-1.電源ICの種類
1-2.リニアーレギュレーターとスイッチングレギュレーターのメリットとデメリット
1-3.LDOレギュレーターとは?
1-4.システムから求められるLDOレギュレーターの必要性
1-5.リニアーレギュレーターとは?
1-6.リニアーレギュレーターとスイッチングレギュレーターの動作
1-7.シリーズレギュレーターの動作原理
1-9.3端子レギュレーター (標準レギュレーター、ボルテージレギュレーター) とLDOレギュレーターとの違い

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