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ショットキーバリアダイオードは利点(順電圧 VFが低い / 逆回復時間 trrが短い)を必要とする用途に利用されます。
・電源回路の2次側の整流:
フライバックコンバーター・フォワードコンバーター・プッシュプルコンバーター・ハーフブリッジコンバーター・フルブリッジコンバーターなど各種の降圧タイプの電源回路の2次側整流に使用されます。このダイオードはオン時に電力を伝送する働きを持っています。従って、オン時にはダイオードの順電圧分の電圧降下が発生しロスとなります。また、オンからオフへの移行時の逆回復時間ではスイッチングロスとして知られる大きなロスが発生します。2次側のダイオードに印加される電圧がショットキーバリアダイオードの耐圧より低い場合、低VF・低trrのショットキーバリアダイオードは最適なデバイスです。
これらの電源回路の動作について説明した動画があります。興味のある方はご覧ください。
・逆接保護:
移動体機器などの充電回路・電池など、誤って極性を反対に接続する可能性がある場合に、電源ラインに直列にダイオードを接続します。正しい方向に接続した場合、ダイオードで発生する電圧降下分の電力はロスとなります。逆接続した場合の電圧がショットキーバリアダイオードの耐圧未満であれば、低VFのショットキーバリアダイオードは最適なデバイスです。
IC保護:
入力電圧の最大定格がGND−0.3 V ~ VDD+0.3となるICがあります。入力信号に含まれるリンギングなどでこの定格を上回る可能性がある場合、低VFであるショットキーバリアダイオードが使用されます。
これ以外にも1.5 V系などの低電圧でのダイオードロジックや電圧低下検出回路(電圧監視回路)など、最近の低電圧化・低消費電力化のトレンドに対して多様な用途があります。