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耐圧VRはショットキーバリアダイオードに印加できる最大の逆電圧です。
ショットキーバリアダイオードに逆バイアスを印加すると、この電圧は接合部から半導体側に伸びる空乏層に印加されます。この空乏層は製品の濃度により長さ(空乏層幅)が変わり、濃度の高い製品ほど短くなります。また、逆バイアスの電圧を増加させると空乏層は伸び、減少させると縮みます。
印加する電圧と電界の関係は図のように示されます。三角形の面積が印加電圧になります。
印加する電圧を増加すると電界強度は大きくなり、ある電圧(Si 最大電界強度)を超えると過大な電流が流れ素子が破壊します。この最大電界強度を超えない最大の電圧を耐圧として定義しています。
このため、不純物濃度の低い製品ほど耐圧は高くなります。
また、不純物濃度の高低はダイオードの直列抵抗の大小に直接影響します。濃度が高いほど直列抵抗が小さくなります。pn接合ダイオードでは既に説明した伝導度変調効果による過剰キャリアによりこの影響は小さくすることができます。しかしながら、ショットキーバリアダイオードはユニポーラーデバイスであり、伝導度変調効果を得ることができません。
同一の金属を用いた耐圧30 Vのショットキーバリアダイオード(CBS10S30)と耐圧40 Vの(CBS10S40)のIF-VFカーブを図に示します。低い電流では差は無く、電流定格(1 A)に近づくと耐圧の高いCBS10S40が同じ順方向電圧で電流が小さくなっていることがわかります。
これは半導体に添加された不純物の濃度がCBS10S40の方が低く、これに基づく直列抵抗が高くなっているためです。この傾向は耐圧を高くするほど顕著になります。このため、Siのショットキーバリアダイオードでは、高耐圧化が困難です